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【田淵幸一物語・第3部(1)】「振れなかった」…3球三振デビュー 21才の平松政次の速球に茫然自失

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【田淵幸一物語・第3部(1)】
「振れなかった」…3球三振デビュー 21才の平松政次の速球に茫然自失

速い!大洋・平松の速球に手も足も出ず3球三振に倒れた田淵 速い!大洋・平松の速球に手も足も出ず3球三振に倒れた田淵

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 第3部は田淵幸一のルーキー年、昭和44年4月12日、満員の甲子園球場からスタートする。開幕戦の相手は別当監督率いる大洋ホエールズ。だが、スコアボードには「田淵」の名前はない。

20歳の江夏の好投

 大洋の先発は平岡。阪神は3年目、20歳の江夏がマウンドに上がった。

 「わしも調子はいいし自信はある。開幕に投げるのはなによりの名誉だ。だが、今年の阪神は江夏が中心になってもらわねばならない。エースの自覚と自信を持たせるために、わしは喜んで譲る」

 兼任コーチとなった村山から託されてのマウンドだった。

 試合は緊迫した投手戦となった。先手を奪われたのは江夏だった。三回無死一塁の場面で一塁走者の松岡を絶妙の牽制(けんせい)球で誘い出したまではよかった。ところが野手が挟殺プレーに失敗し無死三塁。ここで林の当たりは平凡な右翼フライかと思われたが、右翼から吹く強い「浜風」に押し戻されて右翼手と二塁手の間にポトリと落ちるタイムリーヒット。

 江夏の失点はこの不運な1点だけ。被安打4、12三振を奪う力投を見せる。だが、阪神打線が打てない。平岡-平松のリレーに翻弄された。チャンスはあった。四回に1死満塁、八回にも小玉の左前打とカークランドの四球で1死一、二塁としたが、ここ一番でタイムリーが出ない。結局、大洋より多い8安打を放ちながら無得点。好投の江夏を見殺しにしてしまった。

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