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【十段戦】井山十段「幸運だった」 余七段の追撃振り切り関西ダービー制す

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【十段戦】
井山十段「幸運だった」 余七段の追撃振り切り関西ダービー制す

余正麒七段(右)に勝ち、タイトルを防衛した井山裕太十段=21日、大阪市の日本棋院簡裁総本部(永田直也撮影) 余正麒七段(右)に勝ち、タイトルを防衛した井山裕太十段=21日、大阪市の日本棋院簡裁総本部(永田直也撮影)

 21日に大阪市内で行われた囲碁タイトル戦「森ビル杯 第55期十段戦五番勝負」(産経新聞社主催)第4局。日本棋院関西総本部所属の井山裕太十段(27)と関西棋院所属の余正麒(よ・せいき)七段(21)による注目の“関西ダービー”は、囲碁界の第一人者の井山が若手成長株の余を圧倒し、3勝1敗で2連覇を成し遂げた。

 序盤、右下隅で先番・余の黒19ハネから激戦の火ぶたが切って落とされた。黒41まで、「右下隅の形が良く、中央も頑張った黒がやや打ちやすくなったのでは」と解説の坂井秀至八段。その後も、余は黒47と再び白を追及する積極的な手を放った。

 だが、模様を消しにいったはいいが、黒51に対する白52が鋭い一着で、「51の黒石が切り離され、白がポイントをあげました」と坂井八段。白58まで、五分五分の形勢に。

 黒59から左辺に戦場を移し、黒95まで、白の猛攻を黒が何とかしのいで、ここも一段落。激しい中盤の競り合いが終わって、あとは細かいヨセ勝負に入るかと思われたが、この後、余にまさかの誤算があった。

 左上隅、黒99、101出切りが「見損じていた」と終局後、余が悔やんだ痛恨の敗着。坂井八段も「左上隅で黒が大きく持ち込んで大勢が決した」と結論づけたように、一瞬にして形勢は井山に傾いた。この後、井山は粘る余の追撃を振り切り、逃げ切った。

 シリーズを振り返り、井山は「第1局ははっきり負けの場面があり、第3局も苦しい時間帯が長く、防衛できたのは幸運だった」。これまで井山との対戦で9戦全敗だった余は、第3局で初白星を挙げ一矢報いたが、初タイトルには一歩届かず、「貴重な経験になった。来年、またここに戻ってこられるように頑張りたい」と話した。

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