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【西論】JR脱線事故12年 「安全」を企業のDNAにすべし

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【西論】
JR脱線事故12年 「安全」を企業のDNAにすべし

スピード超過の快速電車は脱線後、線路脇のマンション駐車場に激突し大破。乗客106人が犠牲となった =平成17(2005)年4月25日午前、兵庫県尼崎市(本社ヘリから) スピード超過の快速電車は脱線後、線路脇のマンション駐車場に激突し大破。乗客106人が犠牲となった =平成17(2005)年4月25日午前、兵庫県尼崎市(本社ヘリから)

 ◆対策にゴールなし

 最近、事故現場になったマンションを訪れた。桜が咲くなか、慰霊施設に整備する工事が進む献花台を目指した。置かれた花束はどれも新しく、今も慰霊に多くの人が訪れていることがわかる。献花台の奥には車両が突っ込んだ1階駐車場の壁があった。かつてと同じコンクリート壁がえぐれた痕跡を見ると、ある遺族の言葉を思い出した。

 「事故後、すべてが止まったままだが季節はめぐる。だから春が嫌いになった。桜が散る季節は、また何かを失うようで恐ろしい」

 春は新入学や入社、転勤など新しいことが始まる時期だ。しかし、事故以降、この人たちは春が来るたびに打ちのめされるようになってしまった。巨大な事故は残された多くの家族の生き方や日常さえも変えてしまう。

 12年たっても結論は同じだ。悲劇を繰り返さないため、JR西は鉄道の安全を、この季節に考え直さなければならない。安全対策にゴールはない。この命題を企業のDNAとするまで語り継ぎ、追求することが犠牲者や被害者、社会に報いる唯一の道だ。   (社会部長・堀洋)

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