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【芸能考察】ロック音楽も“安心・安全・親の信頼”時代…個性派バンド「空想委員会」が変える概念 技巧さ、アニメ「遊☆戯☆王」曲もヒット

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【芸能考察】
ロック音楽も“安心・安全・親の信頼”時代…個性派バンド「空想委員会」が変える概念 技巧さ、アニメ「遊☆戯☆王」曲もヒット

「信頼と安心のバンド」をめざすと話す空想委員会。右から三浦隆一(ボーカル兼ギター担当)、佐々木直也(ギター担当)、岡田典之(ベース担当) 「信頼と安心のバンド」をめざすと話す空想委員会。右から三浦隆一(ボーカル兼ギター担当)、佐々木直也(ギター担当)、岡田典之(ベース担当)

 昨年、夏恒例の「フジロックフェスティバル」で「音楽に政治を持ち込むな」という論議が巻き起こった。

 ロック音楽黎明期(れいめいき)の1960年代や70年代には、極めて政治的なメッセージを含む楽曲こそが“ロック”であるとみなされ、80年代にはロック音楽がアフリカの難民救済や反人種差別といった政治運動を盛り上げる役割を担った。

 しかし、インターネットや交流サイト(SNS)が爆発的に普及した2000年以降、ロック音楽にそんな役割を期待する声はほぼ消えた。

 いまの若者の多くがロック音楽に求めるのは音楽性プラス、高いファッション性や健全な娯楽性だ。最近は親御さん世代から、娘や息子が安心して楽しめるロックバンドやライブハウスを求める声が高まっているという。

 そんな声を追い風に、話題を集める日本のバンドがある。2011(平成23)年にインディーズデビューし、2014(平成26)年にフルアルバム「種の起源」でメジャーデビューした3人組のギターロックバンド「空想委員会」(キングレコード)だ。

■バンド名も配慮、巧みな計算…こじらせ感までリアル歌詞、幅広い世代から共感…新作『デフォルメの青写真』は

 メンバーは三浦●(=隆の生の上に一)一(ボーカル兼ギター担当)、佐々木直也(ギター担当)、岡田典之(ベース担当)でサポートドラムのテディが加わるが、ポップでキレの良いサウンドと、三浦が書く青春時代特有のやらかした感や、自分探しの旅、というよりほとんど洞窟探検と化しているこじらせ感をリアルに綴(つづ)る歌詞に、幅広い世代が共感。

 ところが、このバンドのキャッチフレーズが「共感したら負け組」というから笑える。そして、バンド結成に至る経緯などもユニーク。三浦によると、このバンド名に決めた理由もふるっている。

 「ライブハウスに良く出演していたんですが、とにかく英語のバンド名が多いので、日本語のバンド名だと目立つからというのが第1の理由。そしてもうひとつが、両親の意に反し、安定していない職業に就いてしまったので、せめてバンド名くらいは堅い職業を思わせるものにしようかなと思ったんです。それが両親への罪滅ぼしかと思いまして…」

 確かにご両親も、息子が不安定なロックバンドという職業で生計を立て、おまけにバンド名が「死神」とか「ドクロ」だったらちょっぴり悲しいかも…。

リアルさ、まさに「アイシテルの破壊力」な『デフォルメの青写真』

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