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【正木利和のスポカル】マティスとルオー、巨匠の友情はこうして始まった

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【正木利和のスポカル】
マティスとルオー、巨匠の友情はこうして始まった

アンリ・マティス「コドマ兄弟」(『ジャズ』より) 1947年 うらわ美術館 アンリ・マティス「コドマ兄弟」(『ジャズ』より) 1947年 うらわ美術館

 二人は国立美術学校で出会っている。成績優秀だったルオーは教官をしていた象徴主義の画家、ギュスターヴ・モロー(1826~98年)の教室の首席。一方、美術学校の試験に落ちたマティスは、モロー教室になんとか聴講生としてもぐりこんだ劣等生。

 当然、師のモローはルオーの方を買っており、自分の亡き後、アトリエを美術館にするよう遺言した彼は、その初代館長にルオーを指名している。

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 裕福な劣等生と貧しい優等生という対照的な二人だったが、色彩画家と宗教画家というスタイルの違いがライバル関係を緩和させたせいなのだろう、彼らは学校を出た後も仲が良く、手紙のやりとりは1906年からマティスが死ぬまで半世紀も続いた。

 その二人の往復書簡、「友情の手紙」のおもしろさのひとつは、内容から彼らの力関係を読むことができる点にある。

 マティスからルオーにあてた手紙をみると、相手を思いやる言葉がとても丁寧な筆跡でつづってあることに気づく。たとえば、まるで自分がルオーの大ファンであるといわんばかりに、「あなたの作品を大切に持っているのだが、その作品の解説をしてもらいたい」とか、戦争中の物資不足で絵が描けなくなったルオーに画材を送る約束をしたものなどもある。

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