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【正木利和のスポカル】マティスとルオー、巨匠の友情はこうして始まった

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【正木利和のスポカル】
マティスとルオー、巨匠の友情はこうして始まった

アンリ・マティス「コドマ兄弟」(『ジャズ』より) 1947年 うらわ美術館 アンリ・マティス「コドマ兄弟」(『ジャズ』より) 1947年 うらわ美術館

 20世紀フランスを代表する画家、アンリ・マティス(1869~1954年)とジョルジュ・ルオー(1871~1958年)がとても親しい間柄であったことを知ったのは、恥ずかしながら2月に東京のパナソニック汐留ミュージアムで「マティスとルオー」展を見てからである。

 そこには、二人の作品とともに往復書簡も展示してあった。有名人の私信を読むのはなかなかおもしろいものである。書かれているさまざまな事実を組み合わせれば、ときに自分だけの新たな発見へと導いてくれることもあるからだ。

 マティスとルオーという巨匠たちはどのようにして知り合い、どうやって友情を温めたのか。ひとまず、ことし初めにみすず書房から出た、展覧会のテキスト「マティスとルオー 友情の手紙」という本をじっくり読んでみようと思った。

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 裕福な商家に生まれたマティスは、20世紀初頭、純粋色を単純な構図のうえに荒々しい筆致でのせてゆくフォービズムの旗手として注目されるようになった。のちに絵筆をはさみに持ちかえた彼は、切り紙絵という技法で絵画に軽やかな色彩世界を築きあげる。

 一方、貧しい職人の息子として生まれたルオーは若い頃、ステンドグラス職人のもとで修行したが画家への思いを断ち切れず、国立美術学校に進んだ。のちに彼は都会の底辺の人たちを荒々しいタッチで描き、さらに絵の具を厚く盛り上げてキリストの顔や姿を表現したことで、宗教画家としての地位を確立させていった。

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