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谷崎潤一郎直筆の短歌、林芙美子の句…中国の文人・方紀生の遺族宅で見つかる 日中の文人交流裏付け 京都

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谷崎潤一郎直筆の短歌、林芙美子の句…中国の文人・方紀生の遺族宅で見つかる 日中の文人交流裏付け 京都

方紀生の長女、川辺比奈さん宅で見つかった谷崎潤一郎が揮毫した短歌 方紀生の長女、川辺比奈さん宅で見つかった谷崎潤一郎が揮毫した短歌

 魯迅の弟周作人に師事し、日中の文化交流に尽くした中国の文人・方紀生(1908~83年)の遺族宅(京都市中京区)で、谷崎潤一郎直筆の短歌や林芙美子の句など、日本を代表する文人や画家8人の戦前から戦中の史料18点が見つかったことが5日、分かった。

 調査した福山大の久保卓哉名誉教授(中国文学)は「戦時中の難しい時代にもかかわらず、日中の文人がしっかりと交流していたことを裏付ける貴重な史料だ」と評価している。

 方紀生は昭和6年から日本に留学し、留学生の監督として15年に再来日しており、史料は長女川辺比奈さん(74)宅で見つかった。谷崎は16年、方紀生の土産のお礼に揮毫した短歌で、変体仮名を使い「吾妹子可 箸尓つら連る 素麺乃 瀧の志ら以登 夏八来尓介利」(妻が白い指で箸を持ち、そうめんをすくいあげると滝の水が白く流れ落ちるように見える、そのような夏が来たよ)と妻への思いを表現している。

 林芙美子は11年秋、北京で方紀生と面会。その際に書いたとみられる句を贈った。佐藤春夫、志賀直哉、永井荷風、堀口大学らの書簡やはがきのほか、藤島武二や武者小路実篤の絵も見つかった。

 周作人の紹介もあり多くの日本の文人と交流した方紀生は、日本人女性と結婚。戦後、中国の文化大革命で投獄されたが名誉回復し、京都大で中国現代文学を研究し日本で亡くなった。

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