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城郭研究者悩ます絵図の存在 国宝・松江城天守に流麗な屋根はあったのか 復元図めぐりバトル

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城郭研究者悩ます絵図の存在 国宝・松江城天守に流麗な屋根はあったのか 復元図めぐりバトル

千鳥破風や唐破風が描かれ、白漆喰が目立つ「出雲国松江城絵図」(国立公文書館蔵) 千鳥破風や唐破風が描かれ、白漆喰が目立つ「出雲国松江城絵図」(国立公文書館蔵)

 国宝・松江城天守(松江市)の創建当初はどんな姿だったのか-。城郭研究者の間でこんなトピックスがにわかにクローズアップされている。ある研究者らは「千鳥破風(はふ)」や「唐破風」と呼ばれる流麗な屋根の装飾を持つ、現在と大きく異なった復元図を作成。松江市内で3月下旬に開かれた討論会では、この図などをめぐって研究者の熱いバトルが繰り広げられた。(小林宏之)

「千鳥破風」と「唐破風」

 同市が3月20日に開催した「松江城調査報告会」。その中のパネルディスカッションで、和田嘉宥・米子高専名誉教授(建築史)らのグループが公表した創建当初の天守復元図が俎上にのぼった。

 和田氏らは、江戸・正保年間(1644~48年)に松江藩が幕府へ出した「出雲国松江城絵図」(正保城絵図)に描かれた天守の様子などを基に、復元図を作成。現在の天守にはない、千鳥破風や唐破風などを持つ天守だったとした。

 この図に疑問を呈したのが市松江城調査研究室の卜部吉博室長(現専門官)。正保城絵図には各地の天守31点が描かれているが、破風が多かったり壁の色が異なっていたりと実態を正確に描いていないものも多く、「正保城絵図の天守が正しいとはいえない」と、述べた。

 「正保城絵図がどこまで写実的だったのかは今後の検討課題だが、『絵図に天守の実態が描かれた可能性がある』との認識からスタートすべきだ」。市史料編纂(へんさん)課の稲田信課長は、こう話して和田氏を支持した。

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