産経WEST

75歳夫「あほうなおやじでごめん」遺書、葬儀代残し74歳妻を川に沈めた苦悩 止まぬ「老老介護」の悲劇

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新


75歳夫「あほうなおやじでごめん」遺書、葬儀代残し74歳妻を川に沈めた苦悩 止まぬ「老老介護」の悲劇

夫婦が心中を図ろうとした大津市の瀬田川 夫婦が心中を図ろうとした大津市の瀬田川

 判決は懲役2年6月、執行猶予4年でそのまま確定した。小野裕信裁判官は「周囲からもよくやっているとの評価を受けていた。最後の2年間は妻からなじられ、視野狭窄(しやきょうさく)に陥ったのは同情の余地がある」と述べた。

老老介護の限界 家族や行政の手助け必要

 2人を救う手立てはなかったのか。

 男性は「介護サービスは多額の費用がかかると思った」と話し、サービスをほとんど知らなかったとした。

 介護サービスを受けるにはどうしたらいいか。県医療福祉推進課の飯田朋子室長補佐は「まずは各市町の地域包括支援センターに相談を」と話す。自治体が運営し、介護サービスなどの総合的な相談窓口となる同センター。要介護認定を受けた人は、所得や状況に応じてケアマネジャーと介護プランを立てることもできる。介護保険の適用が可能かなどを相談でき、適用されれば1~2割の自己負担で済む場合もある。

 介護問題などに詳しい立命館大産業社会学部の唐鎌直義教授は「ここ10年ほどで介護保険制度は充実してきた。ある程度知識を得ておくことは必要」と話す。

 高齢者が高齢者を介護する老老介護。高齢化、核家族化の進行で今後も増加が予想される。27年2月には、介護で精神的に追い詰められた80代の夫が、認知症の妻を大津市内の自宅で絞殺する事件が起きた。唐鎌教授は言う。「老夫婦同士の介護には限界がある。2人きりにしないよう、家族や行政が介入する機会が増えなければ、同じような事件は続くだろう」。

「産経WEST」のランキング