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75歳夫「あほうなおやじでごめん」遺書、葬儀代残し74歳妻を川に沈めた苦悩 止まぬ「老老介護」の悲劇

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75歳夫「あほうなおやじでごめん」遺書、葬儀代残し74歳妻を川に沈めた苦悩 止まぬ「老老介護」の悲劇

夫婦が心中を図ろうとした大津市の瀬田川 夫婦が心中を図ろうとした大津市の瀬田川

 そんな生活に、妻の病気が影を落とし始める。結婚十数年後ぐらいから、妻には頭痛などの症状が現れ始めた。次第に悪化し、7~8年前ぐらいからは手足のしびれや猛烈な頭痛が襲う。鬱症状も発症した。

 男性が1人で妻の世話をするようになった。仕事を辞め、食事の準備や掃除などをこなし、回復を待った。それまで何度病院にかかっても原因が分からなかったが、平成26年ごろようやく「てんかん性障害」と判明。投薬を中心に治療を続けた。

 しかし症状は改善しない。妻は自殺をほのめかし始めた。被害妄想も激しくなる。知人と話をしていた夫に「あんた、私のことを悪く言っただろう」と激しく詰め寄ることもあった。

 男性は心も体も限界にきていた。ただ「迷惑をかけたくない」と誰にも相談せず、1人で抱え込んだ。

遺書ににじむ「夫の苦悩」

 男性は近所でも評判のいい夫だった。自宅近くの男性(72)は「妻を気遣いながら歩いている姿をよく見た」と話す。公判では、地域住民から減刑の嘆願書が裁判所に提出された。証人で出廷した長男(47)は「(父は)いつでも母を一番に考える人だった」と話した。

 長男によると、2人の遺書には「こんなあほうなおやじでごめん」などと書かれていた。葬儀場のチラシや葬儀代金も用意してあった。「母が冗談まじりに『今年の冬は越せないから』と言っていたが、本気だったとは…。気付いてあげられなかった」。長男は肩を落とす。

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