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【ビジネスの裏側】街から消えた「爆買い」どこに…増える中国企業の進出と越境EC 「100円グッズ」が倍以上の値段で

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【ビジネスの裏側】
街から消えた「爆買い」どこに…増える中国企業の進出と越境EC 「100円グッズ」が倍以上の値段で

大阪に進出して日本の100円ショップの商品を中国に輸出している三通国際物流の秦玉波取締役=大阪市西区 大阪に進出して日本の100円ショップの商品を中国に輸出している三通国際物流の秦玉波取締役=大阪市西区

市場規模1兆円超に

 中国企業の日本進出が加速する一方で、日中間の越境電子商取引(EC)も急成長している。ここでも化粧品の人気が圧倒的で、美容関連だけで販売の半分近くを占める。このほか、紙おむつや粉ミルクなどのベビー用品、健康食品などがよく購入されている。

 民間調査会社の富士経済は、16年の日本の中国向け越境EC市場は1兆158億円に上り、3年後にはさらに倍増すると試算した。中国のネット企業は相次いで越境ECに参入しており、SNS(交流サイト)最大手テンセント・ホールディングスはすでに月間のユーザー数が8億人に上っている。

 競争は激化しており、各社とも工夫を凝らし始めている。中国で15年2月に設立されたbolome(ボロミ)は、ユーザー数は500万人と多くないが、スマートフォンを利用したライブ中継型の販売に特化して急成長している。

 ボロミが取り扱う商品は約5千点。その多くには、リポーターが実演なども織り交ぜて紹介する動画が用意されており、中国の女性から高い支持を得ている。北海道や九州など地方の特産品を多く扱っているのも特徴だ。

販路拡大の好機に

 こうした状況は、爆買いの恩恵を受けてきた関西の小売店にとって頭痛の種。さらに中国人観光客の目的は買い物からレジャーや日本文化の体験など「アクティビティ」にシフトしており、小売店への逆風は強まっている。

 だが、日本企業が販路を拡大するチャンスにもなり得る。ボロミ日本法人の三浦浩之取締役は「自分たちがいいと思ったものを発掘して中国に紹介することを心がけている。ボロミで販売したことで売り上げが2倍以上になった企業もある」と話す。

 ジェトロが今年2月に大阪市内で開いた越境ECの商談会には日本企業約200社が参加。ジェトロ大阪本部対日投資推進課の井上哲哉課長は「参加企業の数は当初の想定を大幅に上回った。これまで輸出や海外販売などに縁のなかった企業の参加が目立つ」と話した。爆買いの失速は新たなビジネスチャンスを生み出すきっかけになっている。

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