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【水中考古学へのいざない(11)】海賊たちは意外と「普通の生活」を送っていた? 海底に沈んだジャマイカの港町「ポート・ロイヤル」

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【水中考古学へのいざない(11)】
海賊たちは意外と「普通の生活」を送っていた? 海底に沈んだジャマイカの港町「ポート・ロイヤル」

ポート・ロイヤル海底都市での発掘調査の様子。レンガ造りの廃墟の街並みが果てしなく続く ポート・ロイヤル海底都市での発掘調査の様子。レンガ造りの廃墟の街並みが果てしなく続く

 †土砂の下からレンガのゴーストタウン 長屋には3つの店がテナントとして入居

 主要な発掘用具は「水中ドレッジ」だ。口径約13センチの吸引機で吸い込んだ土砂などは、長い管を伝わって排出される。30センチほど掘ると、ブドウ酒のびんや土器の破片、金属製品などが堆積している層にぶつかり、やがてレンガ造りの床が現れた。周りからは漆喰(しっくい)で固められた壁らしきものも現れた。

 レンガの床は水平ではなく、傾いていたり、周囲より一段下がったりしているところもある。巨大地震のエネルギーで全体がゆがんでしまったのだ。レンガの廃虚の街が果てしなく続く海底は、まさに「ゴースト・タウン」。私たちはエキサイトし無我夢中で掘り進んだ。

 調査を通じて、しだいに町の様子が明らかになってきた。一部を再現するとこうなる。

 横に長い2階建ての家の中には「靴屋」「居酒屋」「たばこ屋」が同居していた。今でいうテナントだ。そこには、たばこパイプの絵入りの看板、無数の皮革製品、酒だるやブドウ酒のびんなどが残されていた。

 その長屋は波止場のすぐ裏手の商店街中心部にあったとみられる。通りは一日中にぎわっていたであろう。さらにその裏にあたる場所には、ウミガメの甲羅を加工する「べっこう職人」の工房が埋もれていた。製材所、魚屋、肉屋などもあった。

 どこにでもありそうな港町。外海で大暴れしている「カリブの海賊」たちも、地元に帰ってきたら普通の暮らしをしていたのだと思うと感慨深かった。

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