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【水中考古学へのいざない(11)】海賊たちは意外と「普通の生活」を送っていた? 海底に沈んだジャマイカの港町「ポート・ロイヤル」

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【水中考古学へのいざない(11)】
海賊たちは意外と「普通の生活」を送っていた? 海底に沈んだジャマイカの港町「ポート・ロイヤル」

ポート・ロイヤル海底都市での発掘調査の様子。レンガ造りの廃墟の街並みが果てしなく続く ポート・ロイヤル海底都市での発掘調査の様子。レンガ造りの廃墟の街並みが果てしなく続く

 この連載の初回でも少し触れたが、1989年の夏、私は今から約325年前にジャマイカの海底に沈んだ都市「ポート・ロイヤル」の発掘調査に参加した。現在のポート・ロイヤルはさびれた一漁村にすぎないが、かつては海賊たちが拠点にしていた港町で、お宝を満載した船が誇らしげに凱旋(がいせん)してきたという。「海底には、何が眠っているのだろう」。想像するだけで胸が高鳴ったものだ。

 †ひょっとして「アトランティス」?

 本格的な調査が始まる前にためしに潜ってみた。水は思ったより濁っていたが、水深は3~4メートルと浅い。不測の事態が起きてもすぐに浮上できる深さだ。

 生まれて初めて見る「海底に沈んだ町」。厚い泥の層で覆われ、表面からはその全貌を見ることはできないが、「謎の大陸・アトランティスはひょっとしたらここなのでは」と、とりとめのない想像をしてしまう。見えないだけに逆にロマンをかき立てられた。

 ここでは、タンクを背負って潜る「スキューバ潜水」に代わり、母船のホースから直接空気を送る「フーカー潜水」を採用。台船上にあるコンプレッサーから同時に6人の潜水者に送気できるため、何時間でも潜水調査に没頭できる。

 ある日の潜水中、背後で突然鈍い破裂音がした。何事かと身構えると、“命綱”である空気ホースが破れ、猛烈な勢いで気泡が吹き出している。仲間の合図で私は慌てて水面に戻った。水深が浅いので命の危険までは感じなかったが、これが深海だったらと思うと、ぞっとした。

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