産経WEST

【世界を読む】テロリストと「対話」は可能か…理想に燃える宗教界がのぞかせた暴力の「黒歴史」

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【世界を読む】
テロリストと「対話」は可能か…理想に燃える宗教界がのぞかせた暴力の「黒歴史」

“宗教界の国連”とも称される世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会が開いたテロリストとの対話について考えた学習会。過激組織「イスラム国」(IS)への対応などが議論され、「どの宗教にも多かれ少なかれ、暴力的な要素があることに目をつむってはならない」との意見が出された=3月7日、京都市伏見区の醍醐寺(小野木康雄撮影) “宗教界の国連”とも称される世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会が開いたテロリストとの対話について考えた学習会。過激組織「イスラム国」(IS)への対応などが議論され、「どの宗教にも多かれ少なかれ、暴力的な要素があることに目をつむってはならない」との意見が出された=3月7日、京都市伏見区の醍醐寺(小野木康雄撮影)

 トランプ米大統領は2月、イスラエルのネタニヤフ首相との首脳会談で、2国家共存にはこだわらない考えを示した。中東和平に関する従来の前提を覆す方針転換を打ち出したのだ。

 こうした情勢を踏まえながらも、真田氏は「中東諸国は欧米が中心になって構築し、解体し、再構築しているように見えてならない」と強調。ISが疑似国家として活動している意図を「イスラム世界の国家の正当性を剥奪すること」と分析した上で「ISとの直接対話がすぐにはできないにしても、地道な環境づくりは必要だ」と結んだ。

宗教による「自己反省」

 一方、パネルディスカッションで登壇した塩尻和子・東京国際大特命教授(イスラム思想・比較宗教学)は、別の重要な問題を提起した。それは、宗教が抱えてきた暗部に対する「自己反省」だった。

 「『宗教と平和』を語ることは誰にとっても心地よいが、どの宗教にも多かれ少なかれ、暴力的な要素があることに目をつむってはならない」

 塩尻氏は、キリスト教の十字軍や魔女裁判などの歴史を例に挙げつつ「宗教を背景にした暴力は、実行者や支援者にとっては単なる犯罪ではなく、神から命じられた崇高な使命とみなされる」と指摘。「こうしたことは特定の宗教にだけ起こるものではないことを、肝に銘じなければならない」と呼びかけた。

 同じくパネリストとして登壇した金子昭・天理大おやさと研究所教授(倫理学)は、宗教者にできることは「世俗的な利害関係を乗り越えられることだ」と述べ、次のような表現で対話の重要性を説いた。

続きを読む

このニュースの写真

  • テロリストと「対話」は可能か…理想に燃える宗教界がのぞかせた暴力の「黒歴史」

関連ニュース

「産経WEST」のランキング