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【井上章一の大阪まみれ】「浪速のバルトーク」作曲の大阪俗謡、ベルリンでお披露目

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【井上章一の大阪まみれ】
「浪速のバルトーク」作曲の大阪俗謡、ベルリンでお披露目

 「浪速のバルトーク」とよばれた作曲家が、かつて大阪にいた。大栗裕(おおぐりひろし)である。大栗は、しばしば自作の楽曲に、大阪土着の音楽をとりいれた。「大阪」をうたった曲もある。

 バルトークはハンガリー生まれの作曲家である。母国の民俗音楽に取材した作品を、数多く発表した。大栗がバルトークになぞらえられるのは、そのためである。

 「浪速のハチャトゥリアン」と言われることも、ないではない。ただ、ロシアのハチャトゥリアンも、民衆的な音楽を自作にいかした作曲家ではあった。「バルトーク」と「ハチャトゥリアン」に、愛称としての本質的なちがいはない。

 当人は、一九一八年に大阪の船場で生まれている。小間物商の御曹司であった。父には義太夫の心得があったという。その意味では、大阪の俗曲世界にはぐくまれた作曲家だと、みなしうる。

 若いころから、吹奏楽に興味をもちだした。ホルンをまなび、その途(みち)で身をたてるようにもなっている。一九五〇年には、関西交響楽団、のちの大阪フィルハーモニー交響楽団でホルン奏者となった。このオーケストラをひきいた朝比奈隆から、じかにまねかれて。

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