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【南海トラフ津波34メートルの町騒動記(6)】津波被害が関連産業に連鎖し人口流出の宮城・気仙沼に学ぶ

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【南海トラフ津波34メートルの町騒動記(6)】
津波被害が関連産業に連鎖し人口流出の宮城・気仙沼に学ぶ

津波で大きな被害を受けた宮城・気仙沼港 津波で大きな被害を受けた宮城・気仙沼港

 東日本大震災から6年たった。しかし、震災から半年後に再訪した被災地の宮城・気仙沼で聞いた言葉が今も忘れられない。

 気仙沼はわが黒潮町とはカツオ漁で縁が深い。全国的に知られた漁業のまちである。大震災で、その漁業が大打撃を受けた。われわれが再訪したとき、商工会議所の会頭がしみじみつぶやいた。

 「漁業以外の産業の人たちははじめはそれほど深刻ではなかったが、次第に漁業のダメージが町全体の産業に影響しているのが後になって身にしみている」

 氷、スチロール、輸送、造船…水産加工業を取り巻く多くの事業者が職を失い、職を求め他地域に流出しているという。

 「震災後」の過疎化現象が起きていた。

 被災直後の、あの津波の衝撃とはまた違うインパクトを地域社会に与えていたということだった。大規模災害というものが、人口減少社会をさらに加速させることになっていようとは思わなかった。

 われわれの町も、南海トラフ巨大地震の想定津波34メートルを突きつけられ、実際に被災する前から人口流出を経験した。

 しかし、その想定を逆手にとり、防災缶詰工場を立ち上げたのは、気仙沼に学び、「被災しても残る仕事」を創出することの必要性を痛感したからだ。

                 ◇

 防災缶詰が神戸元町にオープンした欧風居酒屋「幡多バル」でも販売されることになりました。 (町職員 友永公生)

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