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【昭和クルマ列伝】未来派クーペ「アルシオーネ」 スバルのこだわりが失敗を招いた

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【昭和クルマ列伝】
未来派クーペ「アルシオーネ」 スバルのこだわりが失敗を招いた

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大衆車がベース

 だが、スバルの熱い意気込みは市場には伝わらなかった。理由はSF映画から飛び出したような風変わりなデザイン。ファミリーカーの「レオーネ」をベースにしたため、無理が出た。背を低く見せたいのに4WD機能を備えたため腰高となる。前後のオーバーハングを伸ばして全長を長くしたことで、アンバランスなスタイルになった。従来のスバルファンも戸惑った。

 そこそこ売れると期待していた北米市場でも「プラザ合意」以降の急激な円高によって販売は低迷。高級感を出そうと、非力だった4気筒エンジンを6気筒に拡大するが、後の祭り。スバルは経営危機に陥る。

「反面教師」として

 「安直なクルマは売れない」。アルシオーネ失敗の教訓だった。スバルは高級車造りを一から学び直す。そして平成元年、社運をかけた新型車「レガシィ・ツーリングワゴン」を発表。これが起死回生の大ヒットとなり、スバルは今や世界的なプレミアムブランドに生まれ変わった。初代アルシオーネはスバルの歴史の中で変革をもたらした一台として語り継がれている。

 一方、アルシオーネはデザインを重視した2代目を投入してリベンジを図る。イタリアの巨匠ジウジアーロ氏をデザイナーに起用した。ヒット車とはならなかったが、初代よりもさらに航空機のイメージを強め、異色のクーペとしてスバルの存在感を高めた。(中村正純)

【データ】スバル「アルシオーネVRターボ」

エンジン 水平対向4気筒SOHCターボ 1781cc 135馬力

ボディ 全長4450ミリ×全幅1690ミリ×全高1335ミリ

重量 1120~1130キロ

乗車定員 4人

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