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1泊200円の「磯上荘」サヨナラ 日本の発展支えた労働者の低額宿泊所 3月末終了

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1泊200円の「磯上荘」サヨナラ 日本の発展支えた労働者の低額宿泊所 3月末終了

3月末で廃止される神戸市の無料低額宿泊所「磯上荘」=神戸市中央区 3月末で廃止される神戸市の無料低額宿泊所「磯上荘」=神戸市中央区

 神戸港に近い臨海部に開設され、長年、低所得者の生活の場となってきた神戸市営の無料低額宿泊所「磯上(いそがみ)荘」(中央区)が3月末で廃止される。宿泊料は、昭和39年の開設以来変わらない1泊200円。高度成長期には多くの港湾労働者が暮らし、日本の発展を物流面から支えた。しかし利用者は徐々に減少し、市は「社会的な役割を終えた」と判断。神戸開港150年を迎えた今年、半世紀を超える歴史に幕を下ろすことになった。

住居がない18歳以上の勤労男性

 磯上荘は、東京五輪が開催された39年、住居がない18歳以上の勤労男性を対象にした宿泊所として開設された。鉄筋コンクリート3階建てで、4人部屋が25室。各階に共用のトイレや洗濯機、1階には浴室と炊事場がある。1泊200円という破格の安さで、開設当時は利用者が殺到。各部屋の定員を8人に増やさざるを得ないほどにぎわった。

 磯上荘の歴史は、神戸港の発展と重なる。41年に神戸市沖で人工島ポートアイランドが着工し、翌42年の開港100年の節目にはコンテナ船が初入港した。歩調を合わせるように磯上荘の利用者も年々増え、最も多かった43年には1日平均166人が寝泊まりした。利用者の多くが港で働く日雇い労働者だった。

 だが、時代の流れとともに、利用者数は低迷。平成24年1月には火災に見舞われ、利用者の男性が死亡。3階の3室は使えなくなった。当初は「貯蓄して自宅を確保するまでの宿泊の場」だったはずが、しだいに長期滞在者が増え、「ただの安いホテルのような状態になってしまった」(市保護課)。

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