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シャープの果敢さ映す「8K」

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シャープの果敢さ映す「8K」

産経新聞のインタビューに応じるシャープの戴正呉社長 =14日午前、大阪府堺市のシャープ本社(宮沢宗士郎撮影) 産経新聞のインタビューに応じるシャープの戴正呉社長 =14日午前、大阪府堺市のシャープ本社(宮沢宗士郎撮影)

 経営危機のきっかけとなった液晶事業の復権にシャープが乗り出した。平成30年度にもフルハイビジョンの16倍の超高解像度を持つ家庭用8K液晶テレビの発売を計画している。業界内には「8Kの映像コンテンツがほぼない状況で市場の関心は低い…」と冷ややかな声もあるが、技術とユニークなアイデアを掛け合わせた商品に期待したい。

 シャープの親会社となった台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業は3月1日に中国で1兆円規模の8K液晶パネル工場を着工した。「8K」にかける思いは本気だ。

 「まったく違う映像の世界が体験できるんです」。シャープの担当者は8Kの魅力を興奮気味にこう語る。昨年10月に千葉市で開かれた展示会。シャープが公開した、CG(コンピューターグラフィックス)の女子高校生キャラクター「Saya」の立体(3D)動画は大きな話題となった。

 CGにもかかわらず、まるで実在する女子高校生のような精細な映像。目をこらすと、一本一本描かれた細い髪が揺れる様子や、肌にはそばかすやうぶ毛まで見える。手を伸ばして触れられそうなほどの質感を表現できる8Kの可能性に多くの人が驚いた。

 もちろん、優れた製品であっても「売れる」とは限らない。だが家電を大ヒットさせるには、便利さだけでなく、消費者の胸を躍らせる魅力が必要だ。そうした感動を生む挑戦が最近の家電業界には欠けていたように思う。

 8Kはシャープが取り戻した果敢さもリアルに映していた。

      (石川有紀)

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