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クラシカル霊柩車“絶滅”の危機…火葬場入場禁止の自治体も 「走る寺」アジア仏教国では人気

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クラシカル霊柩車“絶滅”の危機…火葬場入場禁止の自治体も 「走る寺」アジア仏教国では人気

 宮型が減少した理由について、井上教授は「自宅での葬儀が減ったこと」を挙げる。霊柩車が同じルートをたどって郊外の火葬場に向かうため、1日に何度も見かける住民が「死を連想して不吉だ」と考え始め、嫌われる存在になったようだ。さらに「社会の洋風化」が日本の宗教、死生観を変え、衰退を加速させたとみている。

 井上教授は「人の気持ちが時代とともに変わるのは仕方ないが、社会から宮型がなくなるのは寂しい」と話した。

 減少の一途をたどる日本国内とは対照的に、アジアの仏教国では派手な金色装飾の宮型霊柩車が脚光を浴びつつある。モンゴルでは「走る寺」と歓迎され、社会主義時代に寺が破壊されるなど迫害を受けた仏教のイメージアップにも寄与しているという。

 日本葬送文化学会会員で葬祭業者「アラキ」(千葉県八街市)の荒木由光(よしみつ)社長(68)は平成15年以降、中古の宮型3台をモンゴルの国営葬儀社に寄贈。学会のモンゴル視察で、ある僧から「あの宮殿のような車を譲ってほしい」と言われたのが始まりだった。

 同国は土葬や風葬が根付いていたが、当時は墓地不足などから火葬が見直されていた。ただ、棺を積む車は軽トラックと簡素なものしかなく、「金ぴかの宮型が死者を盛大に弔う同国の国民性と合致したのかも」と荒木社長は振り返る。

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