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【ビジネスの裏側】さらば昭和 高度成長期の家電情報発信拠点60年余…「電子会館」が売却

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【ビジネスの裏側】
さらば昭和 高度成長期の家電情報発信拠点60年余…「電子会館」が売却

昭和43年ごろの電子会館の展示場。電機メーカー各社のカラーテレビが一堂に展示されている(電子会館の書籍から複写) 昭和43年ごろの電子会館の展示場。電機メーカー各社のカラーテレビが一堂に展示されている(電子会館の書籍から複写)

 会館設立の目的は、メーカーの枠を超えて家電製品の魅力を伝えることにあった。ビル1階では、松下、早川電機工業(現シャープ)などが最新製品を一堂に展示。連日、全国から消費者や企業幹部らが訪れ、会館内で新たな提携話がまとまることも多かったという。

「脱家電」が影響

 電子会館の株主にはパナソニックをはじめ、シャープ、東芝、三菱電機などが名を連ねた。中でもパナソニックはグループで44・3%を保有し、運営に深く関わってきた。しかし、3月1日、同社を含む各株主は保有株の9割近くを大阪府内の不動産会社に売却。会館の運営から手を引いた。

 カラーテレビ放送開始から1年後にオープンした電子会館は「家電の黄金時代」(関係者)とともに歩んできた。だが、時代は変わった。

 筆頭株主のパナソニックは平成25年度、プラズマテレビ事業から撤退。テレビ向け液晶パネルの生産も終えた。「家電の主役」テレビから遠ざかる一方で、24年からは住宅や自動車部品などのBtoB(企業間取引)を本格的に強化した。27年度の世界売上高の7割以上はBtoB事業によるものだ。

 電子会館元社長の中村正樹氏は「電機業界の事業が多様化し、家電だけを売る商売ではなくなった。電子会館を運営する意味がなくなったのは、時代の流れだ」と指摘する。電子会館が別のビルに建て替えられる日も、遠くないのかもしれない。

かつての電子会館の使命、形を変え受け継いだのは…

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