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【田淵幸一物語・第2部(2)】ドラフト前予想は「阪神・富田」「巨人・田淵」

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【田淵幸一物語・第2部(2)】
ドラフト前予想は「阪神・富田」「巨人・田淵」

会見場となった田淵家の応接間はいつも記者たちでいっぱいだった(右端は田淵) 会見場となった田淵家の応接間はいつも記者たちでいっぱいだった(右端は田淵)

 「とにかく打てなきゃおもしろくない。打てるチームにせよ!」野田誠三オーナーの“至上命令”を受け、戸沢一隆球団社長が挙げた補強ポイントは「右の長打力のある打者」そして「目標は若返りと守りから攻撃への体質改善。新しい血を送り込んで溌溂(はつらつ)としたチームにする」と断言した。

 だが、そこに「田淵幸一」の名前はない。ないどころか巨人や南海が頻繁に田淵家へ「指名の際にはよろしく」と挨拶に出向いたが、阪神は一度も門を叩いたことはなかった。

 当時の阪神には「ひげ辻」こと辻佳紀、「ダンプ」こと辻恭彦の2人の辻捕手が健在。むしろ欲しいのは手薄の三塁手。同じ法大でも地元大阪市天王寺区出身で興国高時代から大型内野手として有名だった富田勝が“虎の第一候補”だったのである。

 ドラフト前日の11月11日、田淵の父親・綾男が集まっていた記者たちにこう宣言した。

 「あいつは巨人ファンなんです。だから巨人に行きたいらしい。でも、ドラフトでは希望が通らないかもしれない。もし、本人も我々も納得できない球団に指名されたら、無理にプロへ行く必要はないと考えています」

 突然の「巨人以外はNO!」宣言。事実、田淵家へは社会人の日本楽器、大昭和、熊谷組からの誘いがあったが、それにしてもなぜ、直前に? 実はその発言の裏には「神の手」が動いていたのである。(敬称略)(田所龍一)

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