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【田淵幸一物語・第2部(1)】田淵は「天才型」お坊ちゃま

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【田淵幸一物語・第2部(1)】
田淵は「天才型」お坊ちゃま

大物ルーキーの阪神・田淵幸一捕手(左)と広島カープの山本浩二外野手 大物ルーキーの阪神・田淵幸一捕手(左)と広島カープの山本浩二外野手

 「捕手」になったきっかけは法政一高時代だ。「はじめは外野手で球拾いばかりさせられた。でも、部員数が多いからちっともボールに触れない。つまらんなぁとブルペンを見たら、捕手は1球1球ボールに触ってる。これだ!と思って志願したんだ。そしたら監督に手首の使い方がうまいと褒められて」

 その法政一高-法大時代と7年間、田淵を育てた“恩師”松永怜一監督はこう見ていた。

 「一見、おっとりしているようだが芯は強い子。素質はいわゆる天才型。彼がホームランを打てるのは、強い腕力、優れた眼、並外れたスポーツ神経にある」

 法大で1年後輩の江本孟紀(サンケイスポーツ評論家)も田淵は「天才」と断言する。

 「信じられないホームランを何本も打った。それまでの打席で完璧に抑えられていたのに、走者が出ると逆転のホームランをかっ飛ばす。天才だから練習しなくても何でも出来た」

 法政三羽烏の3人の中でも田淵は別格だったという。エリートしか入れない寮に1年生で入ったのは田淵だけ。他の2人は3年生になってやっと入寮できた。

 「田淵さんだけが後輩を一度も殴らなかった。怒ったことすらない。心の広さ、優しさが“人の良さ”に出ていた」

 天才型のお坊ちゃま-田淵の運命の日は刻々と近づいていた。(敬称略)(田所龍一)

 ※1月に連載した「新・猛虎伝 田淵幸一物語」はいよいよ第2部がスタート。舞台は「深夜のトレード通告」から遡(さかのぼ)ること10年の昭和43年11月、ドラフト会議前夜から。巨人志望だった田淵をなぜ、阪神は指名したのか。裏で張り巡らされる巨人の策謀。そしてキャンプ初日に発覚した田淵の弱点とは。第1部に引き続き読み応え満点。ご期待ください。

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