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【銀幕裏の声】ヒット映画のキーワードは「空襲」-ブラピ&ロバート・ゼメキス、ティム・バートン…世界の映画人が込めたメッセージは

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【銀幕裏の声】
ヒット映画のキーワードは「空襲」-ブラピ&ロバート・ゼメキス、ティム・バートン…世界の映画人が込めたメッセージは

「海賊とよばれた男」のB29が飛来する東京大空襲シーンは圧巻だ (C)2016「海賊とよばれた男」製作委員会 (C)百田尚樹/講談社 「海賊とよばれた男」のB29が飛来する東京大空襲シーンは圧巻だ (C)2016「海賊とよばれた男」製作委員会 (C)百田尚樹/講談社

空襲は非日常の世界か?

 なぜ今、これほどひんぱんに空襲シーンが世界の映画の中で描かれるのか?

 ゼメキス監督は64歳、バートン監督が58歳、そして日本の山崎監督は52歳、片渕監督は56歳、こうのさんが48歳。

 いずれも両親が第二次世界大戦を経験している世代のクリエイターたちだ。

 もし両親が空襲の被害に遭っていたら自分たちの現在はどうなっていたのか。そんな自らへの問いかけを映像や漫画で提示したかったのではないだろうか。

 平和な今、空襲という出来事は遠い過去の非日常の世界なのだろうか?

 私はそうは思えない。亡くなった私の母も生前、よく幼い頃の空襲の体験談を語っていた。

 「空襲警報が鳴ると、防空頭巾をかぶって防空壕の中へ駆け込んだ。家の中の照明にはすべて黒い布をかぶせ、夜は暗くて本当に怖かった…」と。

 広島に原爆が投下された3日後の昭和20年8月9日。米爆撃機B29は2つ目の原爆を投下するため、目的地・北九州市を目指していた。ところが上空に霧や煙が漂い視界が悪かったため、機体は進路を変更し、第二目的地である長崎市へ向かい原爆を投下した。

 北九州市に住んでいた母は当時6歳。もしその時間、上空が晴れ渡っていたら、私はこの世に生まれていなかったかもしれない。空襲は決して“遠い過去の非日常”ではない…。

 空襲を描いた日米映画4作品を見て、改めてそう実感した。当時、世界中で空襲が行われた。運が悪い人は命を落とし、運がいい人は助かった…。生死は偶然で決まり、生きていることは奇跡なのかもしれない。

 だからこそ現在、生きている我々は命のありがたみ、尊厳を訴え続けなければならない-。4作品が描く空襲シーンから、こんなクリエイターたちの心の叫び、鮮烈なメッセージが聞こえてくる。

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