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【エンタメよもやま話】トランプ米国の現実逃避を象徴…アカデミー賞“タイタニック級”最有力と「ラ・ラ・ランド」評価のワケ

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【エンタメよもやま話】
トランプ米国の現実逃避を象徴…アカデミー賞“タイタニック級”最有力と「ラ・ラ・ランド」評価のワケ

過去の名作ミュージカルのオマージュが詰まった「ラ・ラ・ランド」©2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. 過去の名作ミュージカルのオマージュが詰まった「ラ・ラ・ランド」©2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

 さて、今週ご紹介する“エンターテインメント”は、エンタメの王道である映画、それも今、最も話題のあの作品に関するお話です。

 2月26日(現地時間)に米ハリウッド(カリフォルニア州)のドルビー・シアターで今年度のアカデミー賞(第89回)の授賞式が行われますが、その最有力といわれている作品がミュージカル映画の「ラ・ラ・ランド」(デミアン・チャゼル監督、日本公開はアカデミー賞発表の2日前の2月24日から)です。

 米では昨年の12月2日から公開中で、既に大成功の目安である興行収入1億ドル(約112億円)を突破(2月5日付、米調査会社、ボックスオフィスモジョ調べ)。

 アカデミー賞の前哨戦といわれるゴールデン・グローブ賞では史上最多の7部門を受賞。1月24日に発表されたアカデミー賞の候補作品をみても、「イヴの総て」(1950年)や「タイタニック」(97年)といった歴史的な名作と同様、作品賞、監督賞、主演男優・女優各賞など13部門で最多となる14候補に名を連ねるなど、圧倒的な高評価を受けています。

 だがしかし。米でもはっきり言って大絶賛しているのは業界人ばかり。日本でも既に試写が回っているのですが“確かに素晴らしい作品だが、近年まれに見るタイタニック級の圧倒的な高評価を受けるほどではないだろう”といった困惑の声が広がっています。

 記者もひと足先に観ましたが、映画作品としてのでき映え云々(うんぬん)以上に、なぜ、今、ハリウッドの業界人がこの作品にタイタニック級の高評価を下すのかについていろいろ掘り下げて考えてみました。すると、本作を通して今の米国の社会や文化が透けて見えてきたのです。

 というわけで、今回の本コラムでは、本作の圧倒的高評価の理由についてご説明したいと思います。ネタバレは極力、避けていますが、映画館で観るまで何も知りたくないという方は、最後の方まで飛ばしていただければと思います。

■1950年代風、レトロかつ手作り感…ハリウッド業界人の心も鷲づかみ

 まずはあらすじを簡単に。舞台はハリウッドを中心としたロサンゼルス。主人公は、女優志望のミア(エマ・ストーン)と、ジャズ・バーの経営者になるという夢のため、とあるバーの専属ジャズピアノ奏者として細々と生活しているセバスチャン(ライアン・ゴスリング)の2人です。

 ミアはバーバンクにあるワーナー映画のスタジオ内のカフェで働きながら映画やドラマのオーディションを片っ端から受けますが落ちてばかり…。

 一方のセバスチャンは、自説を決して曲げず、ロックやポップスといった売れ線の音楽に意味はないと言い切る一番やっかいなジャズ・ファン。雇われているジャズ・バーでも、ラウンジ音楽的なジャズはジャズでないとばかりに、アドリブ中心の前衛的なフリー・ジャズを演奏し、経営者(J.K.シモンズ)にたしなめられるも屁理屈を連発し、クビに。

レトロ感と音楽、ハリウッド業界人の心も鷲づかみ…米国ロスの名所旧跡も登場

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