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【近大革命(14)】研究成果を消費者に直接提供、これが近大の実学教育 近畿大学広報部長 世耕石弘

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【近大革命(14)】
研究成果を消費者に直接提供、これが近大の実学教育 近畿大学広報部長 世耕石弘

出荷される近大マグロ(近大提供) 出荷される近大マグロ(近大提供)

▼(13)新年の新聞広告で決意表明、これだけ言い切って…から続く

 近畿大学は平成25(2013)年、大阪市北区のグランフロント大阪と東京の銀座コリドー街に、養殖魚専門料理店「近大卒の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所」をオープンしました。国内の大学としては初の直営店事業となり、近大の研究成果を消費者に直接提供する産学連携の試みといえます。

 サントリーホールディングスと共同で運営し、近大マグロはもちろん、マダイやカンパチ、ブリなど水産研究所が60年間かけて養殖に成功してきた魚の料理がそろっています。ちなみに店名は、当時理事長をしていた兄の弘成(現・経済産業大臣)の発案です。

 もともと水産研究所は戦後の食糧難の時代に、創設者で初代総長の世耕弘一が「海を耕せ!」と号令をかけてスタートしました。敗戦で国土も海も狭められた状況では、日本人の食料を確保するには陸上での農産物の増産だけでは不十分として、海産物を“生産”することを考えたからです。

 そうして昭和23(1948)年に研究所は設立されましたが、前例のない試みに失敗の連続だったといいます。大学の財政を圧迫し、一時は撤退を提案されたこともあります。困難を乗り越えながらハマチやマダイの養殖に成功し、養殖した魚を売って研究費を稼ぎながら平成14(2002)年にクロマグロの完全養殖を成し遂げたのです。

「研究で金儲けは学問への冒涜」との批判は「官立大学の発想」 魚だけが「天然モノが良質」は固定概念

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