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【銀幕裏の声】ほとんど特攻、海面すれすれまで急降下…機首引き上げた瞬間に敵艦乗員と目が合った 爆撃グラマンを振り切った男(下)

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【銀幕裏の声】
ほとんど特攻、海面すれすれまで急降下…機首引き上げた瞬間に敵艦乗員と目が合った 爆撃グラマンを振り切った男(下)

日本海軍の高速艦爆「彗星」。大野さんは「グラマンを何度も振り切った」という 日本海軍の高速艦爆「彗星」。大野さんは「グラマンを何度も振り切った」という

 米艦隊の一斉射撃による弾幕をかいくぐり、日本の艦爆が正確に爆弾投下できる距離まで敵艦に近づくことは至難の業とされていた。大野さんたち艦爆乗りの卓越した技術があったからこそできた急降下爆撃の方法だと理解できる。

 大野さんがこんなエピソードを教えてくれた。ある出撃の際、「私たちの乗る機体が急降下で突っ込み過ぎてしまい、機首を引き上げたら、ちょうど敵艦の艦橋間近。離脱の際に敵乗員と目が合いました」と苦笑した。そしてこう続けた。「私たちの急降下爆撃の方法は、ほとんど特攻といえますね…」

ほとんどの戦闘機が失われ護衛なし、「彗星」のみの特攻隊

 マバラカットで戦っていた20年1月。大野さんに遂に特攻命令が下される。

 「前日夜、搭乗員名簿が張り出され、私の名前が書かれていました。3機ずつ4編隊に分かれて出撃する特攻隊。私は3番目の部隊の搭乗員でした」

 爆撃機の特攻は通常、零戦など護衛の戦闘機に守らられながら敵艦隊に近づき、最後に体当たりしていくのだが、すでに日本海軍は戦闘機のほとんどを失っていた。大野さんに下された命令は艦爆「彗星」のみによる特攻だった。

 そして翌日午前4時半頃。「まだ暗い中、起床し搭乗員たちは整列。全員に小さなアルマイトのお皿に入れた御神酒と、おはぎ一個ずつが配られました。これが最期に食べるおはぎなのだ知りました」

彗星すべて爆破され…「私の葬式は済んでいました」

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