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【銀幕裏の声】ほとんど特攻、海面すれすれまで急降下…機首引き上げた瞬間に敵艦乗員と目が合った 爆撃グラマンを振り切った男(下)

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【銀幕裏の声】
ほとんど特攻、海面すれすれまで急降下…機首引き上げた瞬間に敵艦乗員と目が合った 爆撃グラマンを振り切った男(下)

日本海軍の高速艦爆「彗星」。大野さんは「グラマンを何度も振り切った」という 日本海軍の高速艦爆「彗星」。大野さんは「グラマンを何度も振り切った」という

▼(上)艦爆だけの特攻隊員に任命…から続く

 映画「永遠の0(ゼロ)」で岡田准一が演じた零戦搭乗員、宮部久蔵は卓越した技術で敵艦の艦砲射撃を交わすアクロバチックな操縦を見せた。「零戦搭乗員ばかりが命を懸けて戦っていたわけではないですよ」と語る元海軍艦上爆撃機「彗星(すいせい)」搭乗員、大野徳兵衛さん(90)は急降下爆撃の際、海面すれすれまで高度を落とし敵艦に近づき爆弾を投下、機首を引き上げた瞬間、「艦橋にいる敵乗員と目が合った」と言う。アクロバチックな操縦技術を誇ったのは宮部のような戦闘機搭乗員だけではなかった。「爆撃乗りの腕も凄かったんですよ。私は10回も不時着していますが…」。米軍機も恐れた“高速艦爆乗り〟、大野さんが戦闘機の護衛なし、彗星だけの特攻の真実を明かした。(戸津井康之)

地面に衝突する! 初めて目にした急降下訓練に茫然

 予科練の訓練を受けた後、大野さんは徳島の航空基地へ友人と2人で向かった。

 日本が開発した最新型の高速艦上爆撃機「彗星」の操縦訓練を受けるためだった。

 「基地近くの駅に降り立ち、田んぼのあぜ道に腰を下ろして休憩していたときでした…」

 2人の目の前で、攻撃機の急降下訓練が始まった。

 機体はほぼ垂直に降下、地面に衝突するぐらいの低高度で機首を引き起こし、猛スピードで駆け抜けていった。

 「降下の際はエンジンを絞るので、音が小さいのですが、機首を引き上げるときにはパワーを上げるので、もの凄い轟(ごう)音(おん)が周囲に響きます。壮絶な訓練が何回も私たちの目の前で繰り返されたんです」

 この機体こそ、大野さんたちがこれから操縦訓練を受ける最新型の艦爆「彗星」だった。

零戦よりも高速…高度7000m→一気に300mまで急降下

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