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【銀幕裏の声】第二次世界大戦の“主役”は零戦だけに非ず 高速艦爆でアクロバット飛行、グラマン振り切った男(上)

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【銀幕裏の声】
第二次世界大戦の“主役”は零戦だけに非ず 高速艦爆でアクロバット飛行、グラマン振り切った男(上)

大野さんの“相棒”だった高速艦爆「彗星」。最高速度は零戦よりも速かった 大野さんの“相棒”だった高速艦爆「彗星」。最高速度は零戦よりも速かった

グラマンを振り切れ! 機体には敵機の銃撃による穴が

 大野さんは大正15(1926)年、神戸市生まれ。

 18年、海軍飛行予科練習生として、艦上爆撃機搭乗員の訓練を受けた大野さんは、19年に南洋の基地へ赴任する。

 そして着任後、間もなく冒頭紹介した初陣へ-。

 「初陣まで、空母の着艦訓練や急降下爆撃などの激しい訓練を積んでいたので飛行技術には自信がありました」と大野さん。「練習機でアクロバット飛行の訓練も重ねていたので、艦爆でもスタントのような飛行ができたんです」

 この飛行技術が何度も窮地を救ったという。

 彗星でのある出撃時。「爆弾を投下後、離脱しようと後ろを見たら、グラマン7~8機が追ってきました。急降下してスピードを上げるのですが、風防の脇を曳光弾(機銃の弾道が分かるように数発おきに入っている発光する弾丸)がかすめていくのが見えました」

 彗星は複座型で2人乗り。後部座席の乗員が曳光弾を見ながら、操縦席乗員へ「右! 左!」と指示を出し、協力しながら機体を右へ左へとスライドさせて敵機を振り切るのだという。

 九九艦爆よりも高性能で、“高速艦爆”と呼ばれた彗星。「零戦は機体を軽量化しているために急降下してもそれほどスピードがのらないが、機体が頑丈な彗星は急降下してもびくともせず、トップスピードは零戦以上。追撃してくるグラマンを何度も振り切りましたよ」。大野さんは誇らしげに語ったが、最後に付け加えた言葉が強く印象に残った。

銃撃の穴一つでスピードは約1ノット落ちる

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