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【南海トラフ津波34メートルの町騒動記(4)】ご進講への“お伴”にてんやわんや

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【南海トラフ津波34メートルの町騒動記(4)】
ご進講への“お伴”にてんやわんや

ご進講に際し桐の箱に収められた防災缶詰セット ご進講に際し桐の箱に収められた防災缶詰セット

“その話”を聞いた時、本当に驚いた。

 前回この欄で触れたが、南海トラフ地震対策に悩む大西勝也町長を元気付け、防災の町として新たな産業興し(缶詰事業)の背中を押してくれたのは、「釜石の奇跡」で知られる群馬大の片田敏孝教授だった。

 約1年後の平成26年夏、片田教授から連絡があり、天皇、皇后両陛下への防災についてのご進講に際し、「ぜひとも黒潮町の防災缶詰事業を紹介したい」との話を頂戴したのだ。

 当時は、缶詰工場が創業して3カ月ほど。試供品ができた程度の段階だった。片田教授に相談し、3種類の缶詰を2個ずつ桐の箱に収めて送ることとした。

 両陛下へお目通りいただく品物を扱うことなどまさしく「想定外」。まさかのオファーに社員たちは全員、色めき立って右往左往。私はというと、桐の箱にかけるリボンの巻き方すらわからない。巻き方をネットで検索するなど“最善”を尽くしたが、結局は、群馬大の片田研究室の秘書の女性にお願いした。

 ご進講を終えた片田教授から、黒潮町の取り組みを両陛下にお伝えした際、片田教授が力をこめて「日本国民は負けてません」と強調してくださったこと。

 川島裕侍従長(当時)を通じ、皇后陛下から缶詰のネーミングについてアドバイスを頂いたことなど伺った。このような有り難い話に接し、大西町長はじめ一同、防災缶詰をなんとしても世に送り出さねばと決意を新たにしたのだった。

                          (町職員 友永公生)

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