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【田淵幸一物語(3)】「4番田淵」に賭けた村山新監督のもう一つの苦悩

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【田淵幸一物語(3)】
「4番田淵」に賭けた村山新監督のもう一つの苦悩

甲子園球場でホームランを放つ田淵の華麗な打撃フォーム 甲子園球場でホームランを放つ田淵の華麗な打撃フォーム

 そして1年後再び招聘へ。「昨年は鶴岡氏が身の振り方を決めた後の急な要請に無理があった。だが、今度は何の支障もない」(戸田球団社長)が球団の見解。

 《なんで断られたんか、阪神はな~んも分かってへんな》当時、阪神が鶴岡招聘へ用意した資金は約1億2000万円といわれた。途方もない額。だが、お金で心を動かす鶴岡ではなかった。しかも、同じく監督として獲得に動いていたロッテオリオンズの永田雅一オーナーが引き留めた。

 「鶴岡君、君が阪神に入るということはパ・リーグの崩壊に等しい。パ・リーグのことを考え、潰すのがかわいそうだと思う気持ちがあれば阪神に行ってくれるな。“ウチに来てくれ”と言わんかわりに阪神にも行かないでくれ。男・永田の頼みだ」

 鶴岡は再びNHKと契約を交わした。阪神上層部の落胆は予想以上に大きく、一度解任を決めた後藤監督の続投を考えたほど。そんな落胆の中で誕生した「村山監督」。本社も球団も力が抜けてしまっていた。

 「阪神系列36社挙げてバックアップする-というても、コーチ編成の上で役立つものはない。ワシが一人で考え、ワシ一人が走り回ってやるしかない。南海のノムさんが羨(うらや)ましいわ」。なにひとつ思うように進まない村山新体制。それだけに「四番・田淵」へ賭ける思いがより膨らんでいったのである。(敬称略)

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