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【第44回産経適塾 詳報(2完)】地球で生きるもう一つの道、「心のなかの島」オセアニア伝統航海術の知恵 須藤健一・国立民族学博物館長

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【第44回産経適塾 詳報(2完)】
地球で生きるもう一つの道、「心のなかの島」オセアニア伝統航海術の知恵 須藤健一・国立民族学博物館長

須藤健一・国立民族学博物館長 須藤健一・国立民族学博物館長

 面白いのはプコフという知識です。「赤くて老いた鳥」が出現するとか「恐ろしいクジラ」に出合うなど、ある島の周囲で遭遇する特徴的な生き物や海象などに対する空想的な知識です。そのほかに、波や雲や鳥や魚や海の色や匂いなども大事な航海な目安です。星座コンパスは、私たちの磁石のように絶対方位を示しません。それまでの航海で出合い経験したことを細かく記憶しておくことが航海者の知識の束です。

航海術の奥義と伝授

 航海にたけた長老の航海術師は、潮流や波がカヌーを打つ音で方位を割り出せるといいます。カヌーの周囲の海面や水平線や天空を見渡して、海で起きている数十もの現象から、カヌーの進み行く先と今の位置を推測します。知というよりも勘で瞬時に状況を読み解きます。しかし、嵐に襲われたり無風の時には神々に呪文を唱えて懇願します。航海術師は、漂流の経験、気象や海象や天文の規則性や生き物の習性を見抜いて知識を蓄え、航海術の奥義を極めます。非科学的ともいえるこの経験と記憶を生かして長距離の外洋航海が達成されるのです。

 

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