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【第44回産経適塾 詳報(2完)】地球で生きるもう一つの道、「心のなかの島」オセアニア伝統航海術の知恵 須藤健一・国立民族学博物館長

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【第44回産経適塾 詳報(2完)】
地球で生きるもう一つの道、「心のなかの島」オセアニア伝統航海術の知恵 須藤健一・国立民族学博物館長

須藤健一・国立民族学博物館長 須藤健一・国立民族学博物館長

それで、伝統航海術を今に伝えているミクロネシアのサタワル島から一人の航海者がハワイに呼ばれ、彼の指揮のもとにタヒチへの航海が成功します。タヒチの人たちは、出自の同じ仲間たちが帰ってきたということで大歓迎しました。

 一方、サタワル島からは1975年の沖縄国際海洋博覧会の会場に一艘のカヌーが、3000キロの大海原をこえてやってきました。そのが現在、国立民族学博物館に展示されているチェチェメニ号です。同じ時期にサタワルの航海者たちが成し遂げた大航海とその伝統航海術は世界の注目を集めました。

サタワル島での航海調査

 私は1978年から81年にかけて2回、15カ月間、サタワル島で航海術の調査を行いました。航海術の基本は、方位と洋上の位置を割り出し、船を安全かつ的確に目的地へ導くことです。サタワル島の航海術師は、欧米の航海具なしに千キロ以上の航海を行ってきました。

 方位の確定は、15の星の出没位置を円周上に並べた32方位の「星座コンパス」によります。北は北極星、南は南十字座(南中時)以外は、年中空に輝きません。そのために、星座コンパスを補う200の星が利用されます。星が見えないときや日中は、東からの海流が重要な目安になります。そして、洋上の位置は、実在するが見えない一つの島を「参照の島」と決めて、カヌーと参照島と星座コンパス上の星の位置との関係で把握します。

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