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【銀幕裏の声】訓練中にエンジン故障、教官が見せた片肺神業飛行“天女の舞” 護衛なき重爆特攻「菊水隊」の真実(上)

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【銀幕裏の声】
訓練中にエンジン故障、教官が見せた片肺神業飛行“天女の舞” 護衛なき重爆特攻「菊水隊」の真実(上)

フィリピンのクラークフィールドへ向かう飛行第95戦隊=昭和19年11月、バシー海峡上空(中村真さん提供) フィリピンのクラークフィールドへ向かう飛行第95戦隊=昭和19年11月、バシー海峡上空(中村真さん提供)

故郷の空を飛ぶ-憧れの映画「進軍」のワンシーン再現

 陸軍の屈強な重爆パイロットとしてめきめきと腕をあげていく中村さんの話は誇らしげで勇ましかった。しかし、もともとは旅客機のパイロットに憧れた“飛行機少年”。民間の乗員養成所で初飛行をしたときのこんな秘話を、「誰にも話していないのですが…」と恥ずかしそうに教えてくれた。

 それは昭和16年4月。機体は赤とんぼ。「仙台-松戸」を飛ぶ航法訓練の途中だった。

 「中村よ、だいぶ流されたね。今どこを飛んでいる。下の街はどこだ?」と教官に言われて地図で確認すると、「そこは私の故郷・郡山の上空だったのです。教官は間違えたふりをして、わざと郡山まで飛んできくれたんです」

 すると、「『お前の家はどこだ。俺が操縦するから、お前は手をふれ』と言うんです。訓練飛行中、こんなことは本当は禁止されているのに…。でも私はうれしくて、必死で家を探し、教官、ありました。あそこです! と叫びました」

 教官は中村さんの家をめがけて機体を急降下して引き起こす曲技飛行を3、4回繰り返したという。

 「そのとき、この音に気づいた私の母が家の中から大きな日の丸の旗を持って飛び出してきたんです」

 息子が乗る赤とんぼに向って必死で旗をふる母が見上げる上空で、教官は何度も宙返りを繰り返し見せたという。「本当にうれしかったです。でも、あの優しかった教官はその後、戦死されたと聞きました。無念です」

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