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【銀幕裏の声】訓練中にエンジン故障、教官が見せた片肺神業飛行“天女の舞” 護衛なき重爆特攻「菊水隊」の真実(上)

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【銀幕裏の声】
訓練中にエンジン故障、教官が見せた片肺神業飛行“天女の舞” 護衛なき重爆特攻「菊水隊」の真実(上)

フィリピンのクラークフィールドへ向かう飛行第95戦隊=昭和19年11月、バシー海峡上空(中村真さん提供) フィリピンのクラークフィールドへ向かう飛行第95戦隊=昭和19年11月、バシー海峡上空(中村真さん提供)

 「訓練空域は御前崎(静岡)の高度3000メートル。富士山を目標に飛ぶのです。富士山に近づいたら、『はい旋回開始!』の合図。そこでぐるりと回って、『旋回終了!』です」

 コックピット左側にある正操縦席に中村さんが座り、右側の副操縦席には教官が座って訓練は行われたという。

富士山への訓練飛行中にエンジンが火を噴く

 九七式重爆は双発エンジンを搭載している。ある日、上空で訓練中に右翼側のエンジンが火を噴いて停止した。

 「三保の松原上空を飛んでいるときでした。これはえらいことになったぞ…」。中村さんは不安に襲われた。すると、「隣に座る教官の太田少尉が『よしっ、俺に任せろ』と操縦桿(かん)を握ったんです」

 太田少尉は片側のエンジン一つだけで巧みに機体を操縦。高度3000メートルから旋回を繰り返しながら降下し、浜松の基地を目指し、見事に重爆を滑走路に着陸させたという。

 この話をしながら中村さんが1枚の写真を見せてくれた。中村さんが手に取った写真には、飛行帽を誇らしげにかぶり、機体に手をかけてたたずむ、まだ表情に幼さが残る若き日の中村さんが写っていた。

 「この飛行帽は実は太田少尉のものなんです。撮影のときに借りたのです。あの危機的状況を、まさに“天女の舞”と呼べる神業の操縦技術で切り抜けて生還した太田少尉に少しでもあやかりたいという思いからです」

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