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【銀幕裏の声】訓練中にエンジン故障、教官が見せた片肺神業飛行“天女の舞” 護衛なき重爆特攻「菊水隊」の真実(上)

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【銀幕裏の声】
訓練中にエンジン故障、教官が見せた片肺神業飛行“天女の舞” 護衛なき重爆特攻「菊水隊」の真実(上)

フィリピンのクラークフィールドへ向かう飛行第95戦隊=昭和19年11月、バシー海峡上空(中村真さん提供) フィリピンのクラークフィールドへ向かう飛行第95戦隊=昭和19年11月、バシー海峡上空(中村真さん提供)

「呑龍」元パイロット 中村真さんの証言

 「大空から複葉機が牧場に着陸し、パイロットがヒロインに郵便物を手渡すと、白いマフラーをなびかせながらさっそうと離陸していく…。格好いいなあと思いましてね」。元陸軍百式重爆撃機「呑龍(どんりゅう)」パイロット、中村真(まこと)さん(93)は、幼い頃に映画「進軍」を見て、パイロットになる決意を固めたと言う。映画のパイロットは当時の人気俳優、鈴木傳明(でんめい)、ヒロインを田中絹代が演じた。民間の乗員養成所で操縦士資格を取得した中村さんは国の決まりで陸軍の飛行学校へ進み下士官候補生の課程を終了。その後、除隊し晴れて旅客機のパイロットに-となる予定が、「陸軍に行って重爆撃機のパイロットになれと言われまして…」。大空へ懸けた中村さんの青春は戦争という運命の中で翻弄された。(戸津井康之)

旅客機の夢は重爆へ

 「陸軍の飛行学校を卒業したら、そこで軍隊生活は終わり。いよいよ国際線パイロットだぞ、と思っていたら、卒業式当日に『明日からお前は陸軍に現役編入だ』と伝えられました」

 中村さんは大正12年、福島県郡山市生まれ。昭和17年、仙台の操縦士養成所を卒業後、岐阜の陸軍飛行学校を経て、静岡・浜松の飛行第105戦隊へ配属される。

 それまで飛行学校で、通称「赤とんぼ」と呼ばれた九五式一型練習機や九九式高等練習機、九七式戦闘機など小型機を操縦してきた中村さんの目の前に、これから自分が操縦することになる大型の重爆撃機(重爆)が駐機していた。

 「九七式重爆撃機でした。初めて見たときは、こんな大きな機体が本当に飛ぶのかと不安でした」と中村さんは明かす。

 重爆での飛行訓練は連日繰り返された。

高度3000m、富士山へ飛行中、エンジンが火! 神業“天女の舞”が…

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