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【石野伸子の読み直し浪花女】須賀敦子の終わらない旅(8)「追憶のエッセー」文体へ試行錯誤の一直線 会話を冗舌なほど再現

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【石野伸子の読み直し浪花女】
須賀敦子の終わらない旅(8)「追憶のエッセー」文体へ試行錯誤の一直線 会話を冗舌なほど再現

没後18年たっても刊行が続く須賀敦子さんの関連書籍 没後18年たっても刊行が続く須賀敦子さんの関連書籍

 ミラノ時代の思い出を語った「ミラノ 霧の風景」や「コルシア書店の仲間たち」に続き、父親との葛藤や自身の少女時代、さらに悩み多きフランス時代に言及した「ヴェネツィアの宿」、労働者階級である夫の家族を直視した「トリエステの坂道」、ヨーロッパ文学と自身とを二重写しに描いた「ユルスナールの靴」のほか、読書体験や本への思いなど、没後に編まれた多くのエッセーを書いた。

 しかし、まだ語っていないこともあった。それは信仰の問題。真正面から取り上げる新しい小説を構想していた。=続く

石野伸子 石野伸子 産経新聞特別記者兼編集委員。生活面記者として長らく大阪の衣食住を取材。生活実感にもとづき自分の足と感性で発見したホンネコラムをつづるのを信条としている。

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