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【通崎好みつれづれ】愛しき雨漏り リノベーション長屋

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【通崎好みつれづれ】
愛しき雨漏り リノベーション長屋

通崎さん宅の天窓のある階段=京都市下京区(前川純一郎撮影) 通崎さん宅の天窓のある階段=京都市下京区(前川純一郎撮影)

 そんな思いがあふれる家であるが、一つ困ったことがある。たまに天窓から雨漏りするのだ。予算の都合で屋根をふき替えることがままならず、瓦屋さんに点検してもらい、危ないところだけは瓦を差し替えた。しかし、台風級の激しい風雨にさらされると、ほんの数滴ではあるが雨の滴が落ちてくる。最初に雨漏りを見つけたときは相当な衝撃を受けたが、手間暇かけて造り上げた家なので、雨漏りさえも愛おしい。

 この初秋には立て続けに台風が来て、約2年ぶりに雨が漏った。雨対策に洗面器では風情がないし、金盥(かなだらい)もちょっとわびしく思う。天窓の下に古新聞を重ね置き、次の滴はいつ落ちてくるかと天窓を仰ぐ。流れ星を待つような気持ちになり、存外悪くない。(通崎睦美 木琴・マリンバ奏者)

 つうざき・むつみ 昭和42年、京都市生まれ。京都市立芸術大学大学院修了。マリンバとさまざまな楽器、オーケストラとの共演など多様な形態で演奏活動を行う一方、米国でも活躍した木琴奏者、平岡養一との縁をきっかけに木琴の復権にも力を注いでいる。執筆活動も手掛け、『木琴デイズ 平岡養一「天衣無縫の音楽人生」』で第36回サントリー学芸賞(社会・風俗部門)と第24回吉田秀和賞をダブル受賞。アンティーク着物コレクターとしても知られる。

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