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【通崎好みつれづれ】愛しき雨漏り リノベーション長屋

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【通崎好みつれづれ】
愛しき雨漏り リノベーション長屋

通崎さん宅の天窓のある階段=京都市下京区(前川純一郎撮影) 通崎さん宅の天窓のある階段=京都市下京区(前川純一郎撮影)

 自宅向かいに小さな長屋を持って、6年になる。京都独特の小路「路地(ろうじ)」に連なる4軒長屋の一番奥で、再建築不可の格安物件だった。延べ床面積20坪に満たない家だが、11棹(さお)の箪笥(たんす)に詰め込んだアンティーク着物と、楽器を収納する倉庫には十分だ。

 家を入手して間もなく、近所の大正11年築の立派な建物が解体されることを知った。「もったいない」という思いに駆られ、建具や部材をわが家の改築に再利用させてもらえないかと申し出る。ちょうど先方もそんな先を探しておられるとあって快諾してくださった。ひずみが魅力的な大正ガラスの建具や、風格ある松の床材、床脇の黒柿の板材などを譲り受け、結局わが家は柱だけを残して解体し、それらに合わせて家を造る大改築を敢行することになった。

 建築専門の20代若者と美術系大学出身者4人。計5人の男性が、解体からディテールの作り込みまで一つの作品を仕上げるかのように1年にわたって長屋と格闘してくれた。漆を使って和紙を張り付ける漆壁の制作は、漆にかぶれ全身を腫れ上がらせながらの作業。猫の額ほどの庭の壁は、ひたすら土を突き固めて積み上げる版築工法で仕上げられた。私は、彼らへの感謝を込めて、毎日「現場めし」を作って差し入れた。

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