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【昭和クルマ列伝】幻の日産スーパーカー「MID4」 驚異の完成度…なぜ市販化されなかったのか

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【昭和クルマ列伝】
幻の日産スーパーカー「MID4」 驚異の完成度…なぜ市販化されなかったのか

日産MID4 1985年 日産MID4 1985年

 筆者もショー会場で実車を見た。初代と比べ丸みを帯びたボディは、「フェラーリ・テスタロッサ」のように流麗。低くワイドなスタイルは高次元の走りを予感させた。関心の高さを示すようにギャラリーの数は他のコンセプトカーと比べ圧倒的に多かった。報道陣にも試乗の機会が与えられ、「本格スポーツカーとして完成度を高めた」と、べた褒め。

 市販化は秒読みと思われたが、高性能車の量産には巨額のコストがかかる。日産の試算では1台2000万円を超えたという。バブル期とはいえ、とても採算が合わない。さすがに「やっちゃえ日産」とはいかず、MID4はコンセプトカーのまま開発を終えた。

 培った最新技術はフェアレディZやスカイラインGT-Rにフィードバックされ、一定の“成果”を残したが…。

 市販化の夢が消えたMID4開発陣に90年、ライバルのホンダがスーパーカーを発表したというニュースが伝わる。ミッドシップレイアウトにV6エンジン、オールアルミのボディを採用して価格は800万円。ホンダイズムを結集した「NSX」は大人気となり、今年8月には2代目が登場した。

 日本の自動車史に歴史を刻み、今も進化を続けるNSXとは対照的に、MID4は日産工場跡の保管庫でひっそりと余生を送っている。(中村正純)

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