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【ボブ・ディランにノーベル賞】ディランが音楽を変えた! 権威に反旗のロック音楽に〝権威の賞〟…

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【ボブ・ディランにノーベル賞】
ディランが音楽を変えた! 権威に反旗のロック音楽に〝権威の賞〟…

2年ぶり8度目の来日公演の初日で熱唱するボブ・ディラン=4月4日、東京・渋谷のBunkamuraオーチャードホール(土居政則撮影) 2年ぶり8度目の来日公演の初日で熱唱するボブ・ディラン=4月4日、東京・渋谷のBunkamuraオーチャードホール(土居政則撮影)

 デビューから50年以上にわたり、ポピュラー音楽界を牽引(けんいん)した米のシンガー・ソングライター、ボブ・ディラン氏(75)。歌手として初めてノーベル文学賞受賞が決まった。

 世界中の多くのロック・ミュージシャンを取材したが、彼らが別格として名前を挙げたのがディラン氏だった。2012年、皮肉屋でも知られる米の名シンガー・ソングライター、ドナルド・フェイゲン氏(68)でさえ、電子メールでの取材に「ソングライティング(作詞・作曲)の概念を根底から覆した偉大な人物。唯一無二だ」と絶賛した。

 1962年にディラン氏がデビューするまでの欧米の大衆音楽は、基本的に陽気な恋愛歌ばかりだった。しかし彼はロック音楽の歌詞に人生の意味や人の生き方といったシリアスな意味を持たせた。使われる言葉も欧米では「シェークスピアに匹敵する」と言われるほど詩的で美しく、きらめくような比喩に富む文学性の高いものだった。

 日本では「風に吹かれて」といった反戦歌を歌うフォーク歌手のイメージが強いが、70年代以降、より詩的で芸術的な作風に転換。2000年以降は米国の作者不明のルーツ音楽を解体・再構築して現代に提示する“米国音楽のルーツ探しの旅”を続ける姿はまさに別格だった。

 2000年代に入ると“ノーベル文学賞にふさわしい”と推薦され、候補に入っていたことが判明。しかし、ディラン氏は「ソングライターズ・オン・ソングライティング」(2003年)という本の中で「俺の歌詞が評価されるのはgallantry(いんぎんさ)な部分があるからだろうな」と控えめだった。

 体制や権威に反旗を翻したロック音楽が、権威の象徴であるノーベル賞を取る。まさに時代が変わったということだろう。(岡田敏一)

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