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過労死問題に“一席” 異色の創作落語で防止呼びかけ

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過労死問題に“一席” 異色の創作落語で防止呼びかけ

弁護士らの会議で「エンマの願い」を演じる桂福車さん=9月30日、神奈川県箱根町 弁護士らの会議で「エンマの願い」を演じる桂福車さん=9月30日、神奈川県箱根町

 上方落語の作家らによるお笑い集団「笑工房」(大阪市淀川区)が、過労死防止を呼びかける異色の創作落語を作った。題して「エンマの願い」。過労自殺して冥土に来た若者と現世で暮らす母親のために、閻魔(えんま)大王や鬼が一肌脱ぐという人情噺(ばなし)だ。重くて暗くなりがちな社会問題に、笑いあり涙ありの“一席”を投じる筋書きとなっている。(小野木康雄)

鬼の目にも…

 あらすじは、こうだ。

  

 《うちの会社、仕事がキツうてね。あの日もそうでした…》

  

 三途(さんず)の川を渡った若者が、閻魔大王の手下である鬼の取り調べを受け、自殺した経緯を説明する。長時間労働やサービス残業を強いていた会社の実態が分かると、鬼は「鬼やなあ。いや、鬼はわしか」とあきれ、若者にこう諭す。

  

 《まじめに働くことは悪いこっちゃない。けどな、命まで会社にささげてるわけやないんや》

  

 冥土から現世を見る「浄玻璃(じょうはり)の鏡」には、過労死防止に向けた署名活動に取り組む大勢の遺族たちと、やつれ果てた母親の姿が映し出された。若者は涙する。

  

 《アホやったなあ…なんであんな無理してしもうたんかな。お母ちゃん、ごめんな》

  

 その一部始終を見ていた閻魔大王は、一計を案じ、あることを鬼に命じた-。

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