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【昭和クルマ列伝】韓国に救われた三菱「デボネア」 22年間放置された「走るシーラカンス」

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【昭和クルマ列伝】
韓国に救われた三菱「デボネア」 22年間放置された「走るシーラカンス」

 22年間、一度もモデルチェンジすることなく生産を続け、「走るシーラカンス」と呼ばれたクルマがあった。三菱が1964~86年に販売した最上級セダン「デボネア」だ。トヨタ「クラウン」や日産「セドリック」に対抗するため、持てる技術を結集した自信作だった。

 英語で「礼儀正しい」を意味する「デボネア」という名も風変わりだが、目を引くのはその独特のスタイル。ボンネットとテール部の両端にエッジを立て、巨大なフロントグリルとL型テールライト、ロケットランプを持つ。GMデザイナーのハンス・ブレッツナー氏の手腕で、60年代アメリカ車をそのままコンパクトにしたようだ。室内は広く、高級感あふれる6人乗り。シートはソファのように分厚い。

 だが、デボネアは売れなかった。ライバルよりも高い価格や脆弱(ぜいじゃく)な販売網が響いた。モデルチェンジは先送りされ、三菱グループの重役専用車として、細々と生きることになる。

 デボネアはこのまま静かに絶滅するはずだったが、転機が訪れる。提携関係にあった韓国のヒュンダイ(現代)がソウル五輪を前に「VIP送迎用の高級車を作ってほしい」と依頼してきた。三菱は渡りに船とばかりにヒュンダイとの共同開発に乗り出す。

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