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【神武・海道東征 第12部】偉業を支えた脇役たち(4)道臣命(みちのおみのみこと) 先陣を切り武功 忠臣の象徴

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【神武・海道東征 第12部】
偉業を支えた脇役たち(4)道臣命(みちのおみのみこと) 先陣を切り武功 忠臣の象徴

道臣命を祭る刺田比古神社。日本最初の忠臣ともいわれる=和歌山市(恵守乾撮影) 道臣命を祭る刺田比古神社。日本最初の忠臣ともいわれる=和歌山市(恵守乾撮影)

 「天上界と地上界の間を埋めるのが天孫降臨。その場面で重責を果たした神の子孫が、東征でも同じような構図で登場する。大和朝廷を守る軍事的な集団を統率していた大伴氏らの功績を強調する必要があったのでしょう」

 大阪市立大の毛利正守名誉教授はそう推測する。

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 〈天皇、功を定め賞を行ひたまふ。道臣命に宅地を賜ひ、築坂邑(つきさかのむら)に居(はべ)らしめ、以ちて寵異(ことにめぐ)みたまふ〉

 日本書紀は、即位後の天皇が真っ先に道臣命の功に報い、そして寵愛(ちょうあい)した、と書く。「名前の順が功績の順と考えて良いでしょう」と毛利名誉教授は言う。

 「東征は道臣命抜きには考えられず、天皇は大和平定後もそばに置いた。書紀は、そうした事情をうかがわせます」

 江戸時代後期から刊行され、皇族や忠臣などを紹介した『前賢故実』という伝記集がある。そこでは東征に功績があった存在として、五瀬命(いつせのみこと)の次に道臣命が登場する。五瀬命は畿内まで弟イハレビコを支え、敵の矢に当たって落命した長兄である。

 「道臣命は忠臣の象徴だったと言っていいのでは」。岡本氏はそう話す。

     =(5)に続く

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【用語解説】刺田比古神社

 道臣命と大伴佐●比古命(おおとものさでひこのみこと。●=砥の石を削除)が祭神で、和歌山城の氏神。大伴氏によって創建されたと伝わり、45代聖武天皇による紀伊御幸の際の離宮になったともいわれる。豊臣秀吉が和歌山城を築くにあたっては本城鎮護の神として尊んだ。

 徳川8代将軍・吉宗の拾い親の逸話でも知られる。厄を払うために吉宗は一度捨てられ、同神社の宮司だった岡本長諄(ながあきら)が拾ったことから、吉宗はその後も同神社を崇敬した。出世開運、厄除けの神社として知られるほか、道臣命の活躍で交通安全祈願の神社ともされる。

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【用語解説】交声曲「海道東征」

 詩人・北原白秋(きたはら・はくしゅう)が記紀の記述を基に作詩し、日本洋楽の礎を作った信時潔(のぶとき・きよし)が作曲した日本初のカンタータ(交声曲)。国生み神話から神武東征までを8章で描いている。

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