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【神武・海道東征 第12部】偉業を支えた脇役たち(4)道臣命(みちのおみのみこと) 先陣を切り武功 忠臣の象徴

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【神武・海道東征 第12部】
偉業を支えた脇役たち(4)道臣命(みちのおみのみこと) 先陣を切り武功 忠臣の象徴

道臣命を祭る刺田比古神社。日本最初の忠臣ともいわれる=和歌山市(恵守乾撮影) 道臣命を祭る刺田比古神社。日本最初の忠臣ともいわれる=和歌山市(恵守乾撮影)

 〈汝、忠(まめ)にして且勇(またいさみ)あり。加能(またよ)く導の功有り。是を以ちて、汝が名を改め道臣(みちのおみ)と為(せ)む〉

 熊野上陸後、日臣命(ひのおみのみこと)はカムヤマトイハレビコノミコト(神武天皇)一行の先頭に立って道を切り開いた。その功績をイハレビコはたたえ、道臣命(みちのおみのみこと)の名を与えた、と日本書紀は記す。

 〈大伴連等が祖(おや)道臣命〉

 古事記はそう書く。古事記で初めて、その名が出るのは大和・宇陀で兄宇迦斯(えうかし)の罠(わな)を見破り、イハレビコの危機を救ったときである。その後も八十梟帥(やそたける)を討つなど武功を重ね、軍旅の途中で神を祭る斎主の役割も命じられ、「厳媛(いつひめ)」という名を与えられた、と書紀は記す。

 「祭祀(さいし)での役割も与えられていますから、単なる将軍ではなく、呪術的な力を持った導き手だったのでしょう」

 道臣命を祭る刺田比古(さすたひこ)神社(和歌山市片岡町)の禰宜(ねぎ)、岡本和宜氏はそう話す。同神社は、大和朝廷の有力豪族だった大伴氏が拠点とした地に建つ。周辺は古代、島だったとみられるほか、ご神体は船の形をしている。岡本氏は、道臣命は紀の川沿いを勢力下に置き、イハレビコが来たときに下った、と考えている。

 「海上交通にも詳しく、案内役としても適任だったのでしょう」

     ◇

 社伝などでは、道臣命の父は刺田比古命(さすたひこのみこと)。さらにさかのぼると、天孫降臨の際にニニギノミコトの先導役を果たした天忍日命(あめのおしひのみこと)に至る。大刀を帯びて弓を持ち、真鹿児矢(まかごや)を脇腹に挟んだ武装姿で、天津久米命(あまつくめのみこと)とともに先頭に立った、と古事記が記す神である。

 〈其の天忍日命、此は大伴連等が祖〉

 古事記は、天孫降臨の場面でもそう書いている。度々登場する大伴連という名前。そして、天孫降臨と重なる道臣命の活躍は何を示すのか。

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