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【神武・海道東征 第12部】偉業を支えた脇役たち(3)布都御魂(ふつのみたま) 危機救った刀 生命を預かる神

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【神武・海道東征 第12部】
偉業を支えた脇役たち(3)布都御魂(ふつのみたま) 危機救った刀 生命を預かる神

布都御魂を祭る石上神宮。日本最古の神社の一つとされる =奈良県天理市(恵守乾撮影) 布都御魂を祭る石上神宮。日本最古の神社の一つとされる =奈良県天理市(恵守乾撮影)

 〈此の刀の名は佐士布都神(さじふつのかみ)と云ふ。またの名は甕布都神(みかふつのかみ)と云ふ。またの名は布都御魂(ふつのみたま)。此の刀は石上神宮(いそのかみのかむみや)に坐(いま)す〉

 古事記がこれだけ別名を列記し、その所在まで明記していることで、東征での貢献度がわかる。刀は、大国主命に国譲りさせたタケミカヅチノカミが高天原から下したものだ。この刀の霊威によって、熊野灘から上陸したカムヤマトイハレビコノミコト(神武天皇)は眠りから覚め、荒ぶる神をことごとく斬り倒したのである。

 布都御魂大神を主祭神とする石上神宮(奈良県天理市)は、日本最古の神社の一つとされる。参拝者がいただくお守りは、同神宮の神宝、七支刀をあしらった御神劔守(ごしんけんまもり)。

 「起死回生のご利益があります。神武天皇の危機を救った功績から、ご祭神にはその力があるとされています」

 市村建太・権禰宜(ねぎ)はそう話す。

 布都御魂は同神宮創建以前、物部氏につながる一族が祭ってきた。物部氏は、大和朝廷での武門の棟梁(とうりょう)。大和平定の最終段階で降ったニギハヤヒノミコトと、生駒越えでイハレビコに苦杯をなめさせたナガスネビコの妹トミヤビメとの子、ウマシマヂノミコトを祖とする、と古事記は書く。

 社伝によれば、イハレビコは橿原の宮での即位後、神代に行われた国譲りや東征での布都御魂の功績をたたえ、ウマシマヂに命じて宮中で祭らせた。その後、10代崇神天皇のころ、物部氏の祖、イカガシコオノミコトが現在の地に遷(うつ)したという。

 「東征で重要な役割を果たした刀を託したのですから、神武天皇はウマシマヂノミコトをそれだけ信頼していたのでしょう」

 市村氏はそう話す。社伝は、物部氏が重用された理由も示唆している。

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