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【ニュースの断面】アラブの王族をうならせた関西の中小企業の力

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【ニュースの断面】
アラブの王族をうならせた関西の中小企業の力

西の中小企業の商品を試すアジュマーン国の王族。右はサイエンスの青山恭明会長=大阪市中央区の大阪産業創造館 西の中小企業の商品を試すアジュマーン国の王族。右はサイエンスの青山恭明会長=大阪市中央区の大阪産業創造館

 「とてもおいしい」

 7月中旬、大阪産業創造館(大阪市中央区)の一室。アラブ首長国連邦(UAE)の首長国の一つ、アジュマーン国の王族は、深い甘味のある紅茶に笑みをこぼした。この日は関西のベンチャーなど中小企業が、自慢の商品を紹介してビジネスチャンスを探っていた。

 紅茶を出したのは、茶葉を無農薬で栽培する健一自然農園(奈良県大和郡山市)の伊川健一代表。約15年前、大和高原の耕作放棄地を借りて事業を始めた。「自然の甘みなので、ノンシュガーで健康的なんです」。寒暖の差が激しい日本だからこそ生産できる深い甘味のお茶をPRした。

 UAEでは砂糖が好まれ、糖尿病が多いという。お茶そのものに自然の甘味があれば、砂糖の取り過ぎを心配することもない。感心したアジュマーン王族は「中東に来て、ぜひこの商品を紹介してください」と訴えた。

 この日、プレゼンテーションをしたのは、電気自動車(EV)スポーツカーのベンチャー「GLM」(京都市)や、微細な気泡で肌の汚れを落とす装置を手がけるサイエンス(大阪市淀川区)など数社。アジュマーン王族はいずれの商品にも興味を示していた。

 中小企業はノウハウ不足などから海外進出への取り組みが遅れがち。しかしマッチング次第で、日の目を見ぬ関西の中小企業の商品が、世界の遠い地域で活躍する場はたくさん見つかるだろう。大手企業が関東に集中するなか、中小企業のビジネスの後押しこそ、地盤沈下と言われる関西の産業振興につながるはずだ。(中山玲子)

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