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和歌山太地町、来春にも大規模イルカ繁殖研究へ…国際的批判の「追い込み漁」依存度減らす

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和歌山太地町、来春にも大規模イルカ繁殖研究へ…国際的批判の「追い込み漁」依存度減らす

繁殖研究などを行う水域 繁殖研究などを行う水域

 イルカ追い込み漁を行う和歌山県太地町が湾を使った大規模なイルカ繁殖研究に乗り出す方針を固めたことが6日、分かった。世界的に例をみない試みだという。捕鯨などに国際批判が高まる中、クジラ・イルカの町として存続するには繁殖技術を確立し、漁への依存度を減らす必要があると判断した。ただ、伝統漁法を守る漁業関係者らからは反発も予想され、難しいかじ取りを迫られそうだ。

米国ボルティモアの水族館も同じ構想…「実施例ない規模、世界初」

 関係者によると、研究は太地町内の森浦湾のほぼ全域(約27万9千平方メートル)で早ければ来春にも実施する方向で、すでに県に案を提示した。具体的にはバンドウイルカ100頭程度を漁で入手し3群に分けて行う。

 1つ目の群は「繁殖研究」。成熟したメスだけを約40頭を集め、12個のいけす(各12メートル四方)に分けて飼育する。ホルモン検査や超音波画像診断で監視して発情期をとらえ、オスを一時的に同居。誕生した子は状況に応じ「各水族館に提供する」(関係者)という。専門家の協力を得て遺伝子解析や登録も行う。

 2つ目の群は特殊性を解明する「個体研究」で、イルカと触れ合うことによるヒトへの影響を約20頭を用い調べる。残る群は「動態研究」。謎が多い生態を約40頭の群れを半自然の環境下で飼育しながら解明する。

 湾を使った繁殖は、日本同様にイルカ飼育の国際的批判にさらされている米国のボルティモアの水族館が構想を計画しているが、実施例はないとみられる。関係者は「このような規模で行うのは世界初だとみられる」と説明している。

 イルカをめぐっては、世界動物園水族館協会(WAZA)が昨年、日本動物園水族館協会(JAZA)に対し、加盟施設が、追い込み漁からのイルカ入手を中止しない限り除名すると通知。JAZAは、漁からの入手中止と繁殖への切り替えを決断した。

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