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【関西の議論】「歯を食いしばれ!」弁護士が冤罪に加担しないために…スペシャリストが説く〝いばらの道〟

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【関西の議論】
「歯を食いしばれ!」弁護士が冤罪に加担しないために…スペシャリストが説く〝いばらの道〟

「あるべき刑事司法とはなにか」をテーマにしたシンポジウムに参加した神山啓史弁護士。刑事弁護が直面する厳しい未来を語った=7月18日、京都市内 「あるべき刑事司法とはなにか」をテーマにしたシンポジウムに参加した神山啓史弁護士。刑事弁護が直面する厳しい未来を語った=7月18日、京都市内

 刑事弁護に意欲を燃やす弁護士の卵たちは、暗澹(あんたん)たる気持ちになったのではないか。司法修習生らで組織する団体が7月、京都市内で「あるべき刑事司法とはなにか」をテーマにシンポジウムを開催した。登壇したのは、数々の再審無罪事件で弁護人を務めた冤罪(えんざい)請負人こと神山啓史(ひろし)弁護士(第二東京弁護士会)。取り調べ全過程の録音・録画(可視化)などを義務づけた改正刑事訴訟法が成立し、今後の刑事司法はどう変わるのか。その展望について神山弁護士は「弁護士が冤罪に手を貸す時代になる」と警鐘を鳴らした。独特の生活スタイルから変人とも称される弁護士が語った〝悲観的〟未来とは-。

冤罪請負人…私生活を犠牲に

 平成2年に4歳女児が殺害された「足利事件」、9年に起きた「東京電力女性社員殺害事件」。近年、再審無罪が確定した代表的な冤罪事件で、中心的な役割を果たした神山弁護士の名前は、事件報道の大きさに比べると、一般にはあまり知られていない。

 「マスコミに露出したって、いいことなんて何もないもの」

 特徴的な甲高い声でそう言い放つ。司法研修所で教官を務め、刑事弁護のスペシャリストとして法曹界では有名だ。福島第1原発事故で業務上過失致死傷罪で強制起訴された旧経営陣らの公判で、検察官役の指定弁護士にも就任した。

 そんな多忙な身の上でありながら、携帯電話を持たず、事務所の職員でさえ連絡が取れないこともしばしば。私生活を犠牲にして仕事にのめりこむ姿に、東電事件で再審無罪となったネパール人、ゴビンダ・プラサド・マイナリさんが「神山先生は早く結婚してください」と諭したという。

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