産経WEST

戦時中も守られた「京友禅」の灯 ぜいたく品禁止下も細々と継承 460年の伝統つないだ老舗の知恵と技術いまに

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新


戦時中も守られた「京友禅」の灯 ぜいたく品禁止下も細々と継承 460年の伝統つないだ老舗の知恵と技術いまに

戦時中に西村總染織研究所で技術保存を目的に作られた京友禅=5日、京都市中京区の「千總」(志儀駒貴撮影) 戦時中に西村總染織研究所で技術保存を目的に作られた京友禅=5日、京都市中京区の「千總」(志儀駒貴撮影)

 研究所で作られた京友禅は、困難な状況の中で伝統を引き継ぎ続けた先人の努力の結晶でもある。同社では新人研修などを通して、戦中の苦労について伝える努力を続けている。

 千總の仲田保司社長は「伝統ある老舗として厳しい時代にあっても技術を途絶えさせてはならないという使命がある。研究所の設立は友禅染の技術、そして職人を守ろうとする決意の表れ。弊社の着物を着てくれる時代が来ると信じていたからこそ、職人の手が鈍るのを防ぐのに尽力した」としている。

 戦時中は京都の他の伝統工芸も大きな影響を受けた。関係者によると、千總の西村總染織研究所のように、技術保存を目的にした組織を作った会社もあった一方、その技術が軍事利用されたケースもあった。

 京焼の企業が、陶器製の手榴弾(しゅりゅうだん)やロケット燃料の精製装置の作製に参加。手榴弾に関しては、実戦で使用されたケースは少ないとされるが、本土決戦用に温存されたのではないかと指摘する専門家もいる。

 このほか、終戦直前に金属の深刻な不足が表面化。国が陶器製の貨幣鋳造を発案し、京焼の企業が鋳造に関わったことも。結局、実用されることなく終戦を迎えたため、大量の陶器製の貨幣が廃棄された記録も残っているという。

このニュースの写真

  • 戦時中も守られた「京友禅」の灯 ぜいたく品禁止下も細々と継承 460年の伝統つないだ老舗の知恵と技術いまに

関連ニュース

長崎、伝統の精霊流し さだまさしさんも参加 爆竹鳴らし故人しのぶ

「産経WEST」のランキング